際立ったもので人を引きつける――特売モデル:「王道」のビジネスモデル(2/3 ページ)
特売モデルとは、文字通りスーパーなどの特売品で利益を上げるものです。特売品は安く、利益が出ているとは到底思えないのになぜ利益が出るのか――。そこにこのモデルの秘密があるのです。
複数の商品がある会社で使えるモデル
特売モデルは、お店を開きたいと考えている人、もしくはお店を開いている人には非常に分かりやすいモデルだと思います。1つの目立つ商品を設定し、それを売りにして集客するということが可能です。これはリアル店舗であってもネット上の店舗であっても同様です。分かりやすさという点で利用しやすいモデルと言えます。
では小売業以外では、このような特売モデルはできないのでしょうか。実は、比較的多くの業種で活用可能だと思われます。
どの業種であっても、商品やサービスが1つだけという会社は比較的少ないのです。複数の商品やサービスを用意することで、幅広いニーズに対応していると思います。
このような商品やサービスが複数ある会社では、特売モデルを利用することも選択肢の1つです。例えば、今ある商品やサービスの中で、これはおトクという特売品を用意することで顧客になってもらう人を増やし、その後幅広く商売をしていき、利益を上げることもできるのです。特売モデルのように同時に販売するわけではないですが、長い目で見ると、特売モデルのような効果があります。
車を例に挙げてみますと、現在各社の売れ筋はコンパクトカーです。コンパクトカーは利幅が少なくあまりもうからないのですが、それでも各社は機能をたくさん付けておトク感を出しています。おトクな商品で来店してもらうというメリットもありますが、一度自社商品を購入してもらうことで、その後の買い替え需要などの囲い込みができるという効果もあります。その顧客が一生でどれくらい利益をもたらしてくれるのかによって、最初は利益が少なくても、結果的にはもうかるという判断ができるのです。
新しくビジネスを立ち上げる際は、最初から「利益は少ないが顧客を獲得する商品」と「利益を上げる商品」とで分けてビジネスを考えれば、より利益が出やすいビジネスにすることができると思います。新規ビジネスでは、まずは知ってもらうために目立つことが重要です。おトクな商品があれば、それだけ顧客をひきつけることができます。利益が出ない商品を作ることはなかなか勇気がいることですが、工夫次第でその後利益を上げることができるビジネスになると思います。
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