調査リポート
パートから正社員になれる「無期転換ルール」、利用希望者は4割
パートから正社員になれる「有期労働契約の無期転換ルール」がこの4月から施行されたが、利用したいと思っている人はどのくらいいるのだろうか。東京都調べ。
パートやアルバイトなど期間が決まっている労働契約のことを「有期労働契約」と呼ぶが、この契約が通算で5年を超えて繰り返し更新された場合、労働者の申し込みによって、無期労働契約に転換することができるようになった。つまり、パートで働いていた人が「正社員」に切り替わるというものだが、このルール(有期労働契約の無期転換ルール:2014年4月施行)を知っている人はどのくらいいるのだろうか。
東京都内に拠点を置く企業(従業員30人以上)に聞いたところ、有期労働契約の無期転換ルールを「知っていた」と答えたのは81.9%に対し、そこで働く従業員は29.6%と認知度に大きな差があることが、東京都の調査で分かった。
「無期転換ルール」に対応する企業はどのくらいあるのだろうか。「現在検討中」と答えたのは42.0%、「今後も、パートタイマーを有期労働契約により雇用し、申し出があれば同一の労働条件で無期労働契約に転換する」が31.7%だった。
「無期転換ルール」を利用したいと思っている従業員はどのくらいいるのだろうか。「利用したい」が34.0%、「条件によっては利用したい」が8.4%と、利用希望者は4割を超えた。一方、「分からない」が45.4%、「利用したくない」は8.8%にとどまった。
郵送による調査で、東京都内に拠点を置く会社(従業員30人以上)992社とそこで働く従業員746人が回答した。調査期間は2013年9月20日から11月15日まで。
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