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「少子化」を子どもの目から見てみると……新連載 博報堂生活総研・吉川昌孝の「常識の変わり目」(1/2 ページ)

「昔はこうだったのに」──。これまでの常識とは違うことが常識になりつつあると感じる事象はありませんか。データで読み解くと、常識の変わり目が見えてきます。連載1回目の今回は「少子化の変わり目」を取り上げます。

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博報堂生活総研・吉川昌孝の「常識の変わり目」

30年以上にわたり生活者を研究し続けてきた「博報堂生活総合研究所(生活総研)」。同研究所の主席研究員である吉川昌孝氏が、さまざまなデータを独自の視点で分析し「常識の変わり目」を可視化していくコラムです。世の中の変化をつかみたいビジネスパーソンに新たなモノの見方を提供します。


著者プロフィール:吉川昌孝

博報堂生活総合研究所主席研究員。1965年愛知県生まれ。慶應義塾大学商学部卒。著書に『亞州未来図2010−4つのシナリオ−』(阪急コミュニケーションズ・共著)、『〜あふれる情報からアイデアを生み出す〜「ものさし」のつくり方』(日本実業出版社)などがある


 「最近の子どもは、妙に大人びているなあ」と思うことはありませんか。

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 国勢調査の年少人口(0歳〜14歳)を「子ども」、生産年齢人口(15歳〜64歳)+老年人口(65歳以上)を「大人」として、(大人の数)/(子どもの数)を計算すると「子ども1人当たりの大人の数」が分かります。その推移を示したのが上の図です。

 第1回の国勢調査が行われた1920年(大正8年)には、子ども1人あたりの大人の数は「1.74人」でした。その後も戦前までは2人以下で推移。出生数が落ち着きはじめた1960年代から大人の数が増えはじめ、1970年には子ども1人あたりの大人の数は約3人に、1995年には5人を超え、2014年現在は「6.90人」と7人弱まで増加しています。今後もこの傾向は進み、約50年後の21世紀中ごろ(2061年)には、ついに1人の子どもを取り巻く大人の数が10人を超えると予想されているのです。

 少子化とは、ひとことで言えば子どもの人口が減っていくことですが、言い替えると「子ども1人あたりの大人の数が増えていく」ことでもあります。今回、私がお伝えしたいのは「子ども1人あたりの大人の数」という視点で少子化をとらえて未来を想像してみよう、ということです。

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