「今日の私、なんか違わない?」――世の男性が経験する恐怖の質問:女性脳と男性脳の論理(1/3 ページ)
ビジネススクールで論理思考を教える“男性脳”の筆者が、摩訶(まか)不思議な存在である女性と女性の脳を観察、分析する。今回は、おそらく多くの男性が経験する恐怖の質問。「今日の私、なんか違わない?」から。
春が来た。街に出ると、すっかり春の装いに変わっていることに気付く。そう、最近はいろいろ気付けるようになってきた――はずなのだ……が。
世の男性には経験があるだろう。「ねえ、何か気付かない?」という女性からの“踏み絵”的な恐怖の質問。
残念ながら、そういうときに限って何も気付いていない。自慢じゃないが、気付かない。でもそのまま黙っていると、またあれこれと過去の話が出てくる恐れがある。だから、敗北を感じながら「ごめん、分かんないや。何が変わったの?」と聞くことになる。聞けば正解は教えてくれるのだが、明らかにガッカリしているのが伝わってくる。いや、ちょっぴり軽蔑も入っている気がする。
一般的によく知られている話で、「男性は女性の髪形が変わっても気が付かない」というものがある。だから、最近の男性はいつも女性の髪形を気にしているように思うし、自分もまさにそうだ。相手の女性のヘアスタイルが見るからに変わった場合は「ラッキー!」とさえ思う。そのまま「新しい髪型、似合いますね」と言えばいいからだ。ただし、そのヘアスタイルを相手の女性が気に入っていないこともあるので十分に注意しなくてはいけない。
と、いうことで、今回は「見ている」という話題でいきたい。
今回も、前回まで紹介してきたインタビューから、特徴的な会話を紹介しよう。
「知識」なんだよね、感じるんじゃなくて。
この会話は、前回の「男性のどこが好きか」という話から始まって「何を大事だと思っているのかが合っているかが、結構、重要」というふうに話題が進んで出てきた発言だ。
Iさん:こちらが気にしているところと、男性が気にしていることが合ってないことがあるな、と。髪の毛を切ってキレイにしたのに、そこは全然見てなくて、「今日のネイルはきれいだね」って言ってみたり……。「そこじゃない!」って。
要は、女性が大事だと思っていることを男性が見ていないと、そこがすれ違い「この人とは合わない」という感覚につながっていく、と。こうした小さなすれ違いは、消えずに徐々に「溜まっていく」というのは、前回に述べたとおりだ。
先のIさんの発言を、もう少し詳しく見ていこう。
Iさん:男性って、女性に対して「ここがダメだと絶対にダメ」っていうところを持ってません? 髪の毛がすごい汚いとか、眉毛がボサボサだとか――。私、前に付き合っていた人から「眉毛だけはどうしても整えていて欲しい」と言われたことがあって。「他はどんなでもいいけど眉毛だけは許せないからちゃんと処理をして欲しい」って。そのとき「なんか変なところ見てるんだなー」と思ったんですよね……。
溜田:(私も、眉毛は、気になるけど……)確かに変なところを見ているわりに、見てほしいところを見ていないって言われることは多い気はするなぁ(髪の毛、切っても気付かないし)。いやー、そういう知識はあって、ちゃんと褒めなきゃいけないとは思っているんだけど、その中のどれを褒めなきゃいけないのかが分からないんだよね。
Kさん:あー、そうそう。「知識」なんだよね、感じるんじゃなくて。
溜田:(えっ? 感じる? それって感じるものなの?)
Iさん:だからマニュアルチックな感じがするんですよね。
溜田:(それだ!)
ドキッとさせられたのは、自分が正にそうだと思ったからだ。どうも、マニュアルというか、理屈で動いている傾向がある気がする。髪型にしてもそう。「髪型が変わったことを気付かないというのはダメなんだ」という、一般的に言われている情報をもとに、髪型の変化を観察しているだけの気がする。
だが、女性が求めているのは、どうやらそういうことではないらしい。それはいったい何なのだろう。もう少し先の会話まで振り返ってみよう。
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