「完璧」を知ればスピードを調整できる:東大生はなぜ会社で使えないのか?(1/2 ページ)
社会人は、質とスピードの総合点で評価されます。質だけではなく、早くゴールにたどり着くことが大事です。
集中連載「東大生はなぜ会社で使えないのか?」について
本連載は、関厳著、書籍『東大生はなぜ会社で使えないのか?』(中経出版)から一部抜粋、編集しています。
マジメだけど、コミュニケーション能力が低く、根性がないくせにプライドが高い!
「ゆとり世代」と「東大生」は似ています。どちらも会社では「使えない」と思われているかもしれないけど、そんなことはありません。会社で力を発揮できるように変えていけばいいだけです。
・すぐやれることはその場でやれ!
・「イケてる先輩」を見つけろ!
・自分の上司を管理しろ!
・絶対にやる「プロミスリスト」をつくれ!
・自分で自分にメールを送れ!
・入社3年目までは新聞を読むな!
「スキル」と「心構え」さえ身につければ、優秀なビジネスマンになれるのです。35歳、東大出身のコンサル会社社長がその方法を教えます!
「完璧」を知れば、スピードを調整できる
前回述べたように、社会人になると質とスピードの総合点で評価されます。質だけにこだわるのではなく、ゴールにスピーディにたどり着くことが大事。
しかし、スピードを重視するあまり、質をおろそかにしてはいけません。クオリティとスピードのバランスを高く保つために、100点満点の質の仕事とはどういう状態なのか、まずは自分のなかで定義づけを行ってください。
100点がどういう状態なのかを理解すると、逆に手の抜きどころが分かるようになります。
「100点の仕事」が分かれば効率アップ!
ビジネスの世界に「パレードの法則」と言われるものがあります。
ある店の売上の8割は、実は全顧客の2割によって構成されているという考え方です。優良顧客は全体の2割なので、そこにサービスを絞ったほうが効率的だという法則。イタリアの経済学者ヴィルフレド・パレートが考えたものです。この法則を仕事に置き換えると、次のことが言えます。
「ある仕事で100点をとるには、100時間が必要になるかもしれない。しかし80点でよければ、20時間でとることができる」
ビジネスでは、80点をとれる業務を優先的に行うことが重要。そのためにはまず、何をすれば80点とれるかを知る必要があります。その第一段階として、100点の取り方を知ってください。
新卒で入社したばかりの頃、「勉強として一度、100点の状態を知っておけ」という方針で、スピードよりも質を意識して仕事をやらせてくれる会社もあります。そうした会社に就職した人は、100点の状態をしっかり把握してください。
一方、「最初からクオリティとスピードを求められるのが、本来の仕事というものだ」と考える企業もあります。そうした会社に勤めている人は、組織の方針通りに仕事をこなしつつ、時間のあるときに「この仕事の100点はどういう状態なのだろうか?」と探ってみてください。
その方法としては、一度提出した書類をじっくり見直し、完成度を高めてから上司に確認してもらうといいでしょう。
「この仕事はもう終わっているのですが、100点の状態を知りたいので教えてください」
そう聞けば、「この場合は、こうしたほうがいい」と教えてくれるはずです。そうやって仕事のクオリティを高めた後、徐々にスピード化に移していけばビジネススキルが上がっていきます。
会議の議事録を提出する際には、「70点の状態でいいから、早く出せ」と求められる会社がほとんどです。だからこそ一度、100点を確認しておいてください。
果たして、発言者の意図が正しく反映されているのか? 論理構成はこれでいいのか? 誤字や脱字はないか? ポイントの整理はきちんとできているか?
そうして議事録を100点に仕上げることで、自分がどういった点数配分で70点を取れたのかを理解することができます。
最初から70点を取り続けている人には、100点に上げる方法が分かりません。だから、手の抜きどころも理解できない。100点の状態を知ることで、質とスピードをバランスよく高めるポイントが分かるのです。
今回のポイント
「100点の仕事」を知れば、スピード調整が可能に効率と評価も上がっていく
関連記事
- スタートダッシュがキャリアの分かれ目
新入社員にとっての最初のポイントは、スタートダッシュをうまく切れるかどうか。職場で「できそうなヤツだ」「積極性がすごい」とアピールできれば、つぎつぎと仕事のチャンスに恵まれるようになるのです。 - すべてを前向きに捉える
若くして活躍している管理職の多くが、物事を楽観的に捉えています。失敗しても、その結果をポジティブに捉えて次に生かす。彼らは、もともとポジティブな性格ではありません。仕事をするなかで、後天的に楽観性を身につけているのです。 - 短い時間で終わらせれば評価は高くなる
ビジネスにおいて、最も重視しなければならないのがスピード感です。同じ結果であれば、短時間のほうがコストもかからなくて済み、空いた時間をほかのことに使えるからです。 - 官僚からマスコミまでつかう、責任逃れができる「東大話法」ってナニ?
奇妙な言い回しで責任逃れをしている人は多い。例えば「この問題については議論が足りない」などといって、ウヤムヤにしてしまうのだ。こうしたテクニックを最も上手に使いこなしているのは……。 - なぜ格差が生まれるのか? できる社員とできない社員
同期で入社したのに、数年後には大きな差がついた――。いわゆる「できる社員」と「できない社員」の差はどのように広がっていくのだろうか。このメカニズムを紹介し、できる社員になるための2つのポイントを紹介しよう。 - 東大生のボクが、あの会社に注目した理由
株式投資の運用成績と偏差値に関係性はあるのだろうか。もし「関係がある」とすれば、偏差値トップの東大生はどういった考えで投資をしているのだろうか。そこで現役東大生の“投資脳”に迫った。 - 東大、早稲田、慶應などの就活生に聞く、どの会社で働きたい?
東大、早稲田、慶應など、いわゆる上位校の就活生はどの企業に就職したいと思っているのだろうか。上位5校の学生に聞いた。リーディングマーク調べ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.