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懲罰降格「Facebookノリ騒動」に学ぶこと:臼北信行のスポーツ裏ネタ通信(4/4 ページ)
采配批判などを理由に二軍へ降格した、DeNA中村紀洋内野手の「ノリ騒動」。この騒動の裏側で「ゴースト・ノリ」と呼ばれる第三者が介在していたようである。また、この騒動を冷静にひもとくとビジネスパーソンへの教訓がいくつか垣間見えてくる。
かつての「ビジネスパーソンの星」 この期に及んでフテ腐れるか、前向きになれるか
ここから中村がはい上がるのは容易ではなく、イバラの道となるだろう。「ノリはフィクサーらと相談の末、他球団へのトレード直訴に踏み切るようだ」との情報もあるが、これだけ繰り返しトラブルを引き起こした選手の獲得に名乗りを上げる球団があるかどうかはやはり疑問だ。
中村を昔からよく知る人物は「ノリは本来、マジメな男。だから取り巻きに相談したりして、ヘタな小細工をすることなどしないほうがいい。死んだつもりでもう一度、原点に立ち返って生まれ変わり、二軍でマジメに練習に取り組む真摯な姿を見せつければ、きっとまた一軍にお呼びがかかる」という。
かつて中村は「ビジネスパーソンの星」などと目された時代があった。
無骨で豪放な男。決して器用ではない。それでも地道に練習を重ね、トップスターの地位をつかんだ姿は多くの人を共感させた。こんなつまらない騒動で自らの野球人生を終わらせるのはもったいない。今回は二軍降格だけのペナルティで済んだが、これを中村が球団の親心としてとらえて前向きになれるか。
この期に及んでまだ内心でフテ腐れ、「ゴースト・ノリ」たちとともにグラウンド外での小細工を画策しているようならば、中村紀洋の名は地に落ち、ファンからも永久に見放されるであろう。
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