コラム
ARを使った新曲プロモーションに見る新たな可能性:PAGES TO THE PEOPLE(1/2 ページ)
ポケットティッシュに印刷されたカセットテープの図柄。一見「なんだろう?」と思わせるこのティッシュには、面白い仕掛けがあった。
ポケットティッシュに印刷されたカセットテープの図柄。一見「なんだろう?」と思わせるこのティッシュには、面白い仕掛けがある。
カセットテープは、20代の若い人たちにはあまり馴染みがないかもしれないが、われわれ30代以上の世代にとっては、カセットテープから曲が流れるという体験はどこか懐かしさも手伝ってワクワクする。
これは、女性3人組のロックバンド「tricot(トリコ)」の新曲“Break”のプロモーションとして、5月17日、18日の2日間、このAR対応ポケットティッシュが大阪の梅田と東京の渋谷の2カ所で1万個配布された。スマートフォンでダウンロードしたアプリケーションでティッシュの図柄をスキャンすると、カセットテープが擬似的に動きだし、新曲が再生されるという仕掛け。これまでありそうでなかった取り組みだ。
しかもこの路上配布はtwitterのtricot公式アカウントから、
2014/05/17_1200-1630_IN FRONT OF MARK CITY_SHIBUYA_BREAK
という暗号めいたツイートでのアナウンスだったため、ファンは事前にほとんど内容を察知できない、焦らすプロモーションとなった。
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