リクルートの最年少役員が語る、求人サイト「indeed」買収の舞台裏:最終回・上阪徹が探る、リクルートのリアル(3/6 ページ)
外資系企業とのM&Aは難しいと言われているが、なぜリクルートは米国で生まれた世界最大の求人サイト「indeed」の買収に成功したのか。M&Aを仕掛けたのは、リクルートホールディングスの最年少執行役員・出木場久征氏。彼に当時の話を振り返ってもらった。
indeedの文化はリクルートに似ている
indeedの文化は、かなりリクルートに似ていた。
「もう“恋”みたいなものでしたよね。いろいろ話しているうちに、創業者が大好きになった。この人、いいな。いいこと考えてる。この人と仕事がしたい。買収するときには、会社から“経済性とかなんとか”と、いろいろ言われるんですが……(笑)。
でも、効率的に採用ができる、ということは、確実に社会の効率を上げるわけです。人を採用したい、と考えたら、あっという間に応募が来て、すぐ今日にでも採用に至れる。仕事を探している人は、あっという間に理想の会社が探せる。そんなことができたら、最高じゃないですか。だから、僕らはそんな世界を目指して突き進むわけです」
買収をしてから1年半。会社は順調に成長している。実は赴任前に、海外事業を手がける先輩たちに会いに行っている。
「リクルートのグローバル事業の歴史は、実はもう10年以上もあるんですね。そこには、いろんな失敗もあった。僕がラッキーだったのは、どうして失敗したのかを含めて、いろんな先輩から話を聞くことができたことです」
米国の上場前のIT企業へのM&Aは、買収に手慣れた名だたるIT企業でも難しいとされる。3割はうまくいかない、うまくいくのは1割あるかないかだ、などという声もあった。
「だから、僕自身はこっそり米国に赴任したんです。『ごめんなさい』って帰って来て、『責任とって辞めます』という確率のほうが高いと思っていましたから。ようやく最近ですよ、どこで何をしてるのかが、社内で言えるようになったのは(笑)」
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