調査リポート
中小企業の64.2%が「賃上げ」――産業別でみると(2/2 ページ)
景気回復の影響を受け、「給与がアップした」といった声を聞くことが多くなったが、中小企業で働く人たちはどうなのか。東京商工リサーチが調べたところ、64.2%が賃上げを実施していることが分かった。
賃上げを実施した企業(産業別)
賃上げを実施した企業を産業別でみると、「製造業」(69.4%)が最も多く、次いで「卸売業」(65.6%)、「農・林・漁・鉱業」(63.6%)、「建設業」(62.3%)と続いた。一方、「金融・保険業」(39.1%)、「不動産業」(51.5%)、「小売業」(57.0%)などはまだら模様となった。
「人手不足の広がりに伴い、製造業や建設業などで技能者不足が深刻さを増しており、職人確保の手段として賃上げを迫られている実態が透けて見える。一方、小売業は価格競争などで収益改善が後手に回り、賃上げに踏み切れない企業も多いようだ」(東京商工リサーチ)
賃上げを実施した企業のうち、最新決算で「黒字決算」は1761社(82.6%)、「赤字決算」は231社(10.8%)。「黒字決算の企業は賃上げを実施したが、業績改善が遅れた企業ほど実施を見送ったことが鮮明になった」(同)
インターネットを使った調査で、中小企業3319社が回答した。調査期間は5月28日から6月10日まで。
関連記事
- 100年後も生き残ると思う企業は?
100年後も生き残ると思う企業はどこだと思いますか? 20〜60代の男女に聞いた。リンクモンスター調べ。 - なぜ給料が二極化するのか? 年収200万円と800万円の人
景気低迷の影響を受け、給料は下がり続けている――。そんなビジネスパーソンも少なくないだろう。では、今後10年間はどうなのか。リクルートで働き、中学校の校長を務めた藤原和博さんに「10年後の給料」を予測してもらった。 - なぜ内定をもらえない学生が出てくるのか――彼らの行動を分析した
学生の就活が本格化しているが、内定をもらえる人ともらえない人でどのような違いがあるのか。これまでよく分からなかったことが、ビッグデータで明らかになってきたという。就活生の行動を分析している、リクルートキャリアの担当者に話を聞いた。 - 「転職にご興味は?」と電話がかかってきたら――会社の怖い話
知人から「転職エージェントから、突然会社に電話がかかってきた。面談に応じるべきだろうか」という相談を受けました。質問です。もしあなただったら、どうしますか?
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.