日本のプラズマの祖「篠田プラズマ」は終わってなんかいない:欧米反応(1/3 ページ)
資金繰りの悪化から2013年11月に事業停止を発表した「篠田プラズマ」は終わっていなかった。現在は「欧米の投資家の資金援助を受け、研究を続けながら出資者を集めている」状況で、年内に再建のめどをつける見通しだ。
資金繰りの悪化から昨年11月に事業停止を発表した「篠田プラズマ」(神戸市中央区)は終わっていなかった。「プラズマテレビの生みの親」と呼ばれる篠田傳会長兼社長(65)が産経新聞の取材に応じ「欧米の投資家の資金援助を受け研究を続けながら出資者を集めている」と述べ、年内に再建のめどをつける見通しだ。同社の大画面ディスプレーを米国で紹介し、通話相手を背景ごと映しながら話す“等身大通信”に活用する構想を提案したところ「プラズマの新しい事業の芽が生まれつつある」と評価されたという。(松岡達郎)
未来につながる技術
「こんな技術があるとは知らなかった」
6月初旬、米国で開かれた情報ディスプレー学会(SID)。篠田氏が講演で紹介した次世代ディスプレーは、こう注目を集めたという。
プラズマディスプレー開発50年を記念した講演で、富士通時代に世界に先駆けてフルカラーのプラズマテレビを開発した篠田氏が招待された。篠田氏はプラズマ・ディスプレー・パネルと同じ発光原理で、ペラペラのため、折り曲げることもできる次世代の超大画面フィルム型ディスプレーを紹介し、未来の等身大通信に応用できる可能性を説明した。
高さ2メートル、幅4メートル程度の曲面ディスプレーで包み込むように利用者の視野を覆った環境で会話する次世代の通信。通話相手と背景などがディスプレーに映し出すことで、居ながらにしてあたかもそばにいるような臨場感と味わいながら会話することができるのが特徴だ。
篠田氏は「通話相手と同じ環境、感動を共有できる通信の時代がくる。それには人の視野を120度覆う必要があり、フレキシブル(曲がる)ディスプレーは必ず必要になる」と強調する。
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