日本のプラズマの祖「篠田プラズマ」は終わってなんかいない:欧米反応(2/3 ページ)
資金繰りの悪化から2013年11月に事業停止を発表した「篠田プラズマ」は終わっていなかった。現在は「欧米の投資家の資金援助を受け、研究を続けながら出資者を集めている」状況で、年内に再建のめどをつける見通しだ。
事業停止後に欧米の投資家が出資
昨年11月、篠田プラズマは資金繰りの悪化から事業の停止を発表した。
そもそも篠田プラズマの誕生は富士通がディスプレー事業から撤退を決断したのがきっかけ。ちょうど次世代の大画面ディスプレーの研究のめどが立ちつつあったことから、富士通研究所フェローなどを歴任した篠田氏が研究成果を切り出し、資産を譲り受ける「カーブアウト」という新しい形態で設立した。
篠田氏のフルカラーのプラズマテレビ開発への険しい道のりは、NHKの番組「プロジェクトX〜挑戦者たち〜」で紹介されるなど大きな反響を呼んだことでも知られる。
ただ、あくまでベンチャー企業だけに資金繰りの苦労は続いた。投資がほぼ決まったタイミングで「パナソニックがプラズマ事業撤退」と報道が出たことで白紙に戻されたこともあったという。
関係者らによると、次世代ディスプレーの生産効率を向上させるため工場の拡張計画を進めていたが、独立行政法人・中小企業基盤整備機構の債務保証が認められず、金融機関からの融資が受けられなかった。さらに政府系ファンドからの投資も受けることができなくなり、資金繰りに行き詰まった。
昨年11月19日に事業を停止。以降、再建を支援するスポンサー企業を探していたところ、今年1月になって欧米の投資家が同社を訪問。同社の技術とディスプレーを「大きな可能性のあるディスプレー」と評価して投資を申し出た。今後1年程度は企業を維持し、技術者数人を確保して研究開発を続け、事業に本格的に出資するスポンサー探しができるだけの資金を提供したという。
関連記事
- ネットを使ってテレビを見るのは、そんなにダメなの?
動画サイトにアップロードされているテレビ番組は、かなりの数にのぼる。しかしそれらの番組のほとんどは、テレビ局によって消されてしまう。ネット上でテレビ番組を見ることができるようになると、どのようなメリットがあるのか。田原総一朗氏と水道橋博士が語り合った。 - テレビに未来がない? ウソだと思う
「若い人があまりテレビを見なくなった」と言われているが、本当にそうなのだろうか。確かにPCなどで動画が見れることもあって、若い世代を中心にテレビを見る時間が減っている。しかいテレビとソーシャルメディアが融合すれば、人々への影響は計り知れないのだ。 - なぜ若者はテレビ離れしているのか、制作会社から見たテレビの現在
若者の間で進んでいるテレビ離れ。なぜテレビは若者を引き付けられなくなっているのか。その原因と、どのように解決するべきかという方策を制作会社大手ザ・ワークスの霜田一寿常務に尋ねた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.