連載
号泣県議・野々村さんは、兵庫県議会に比べたらよっぽど政治家らしい:窪田順生の時事日想(4/4 ページ)
「号泣県議」こと野々村さんが11日付で辞職した。彼のおかげで「政務活動費」というカネが、議員たちの「生活費」になっていることが明らかになった。しかし、兵庫県議会はこの問題をうやむやにしたいようで……。
政治家としての仕事を放棄
彼のおかげで、「政務活動費」というカネがいかにバカバカしく、高給取りの議員たちの「生活費」にしかなっていないことが明らかになった。
しかも、兵庫県議会は彼を「虚偽公文書作成」で告訴するんだとか。本来ならば国民の税金なわけだから「業務上横領」で追及すべきなところを、形式犯でうやむやにする。自浄作用がないとかいうレベルではなく、政治家としての仕事を完全に放棄する愚行だ。というよりも、似たようなイカサマをしている他の議員への飛び火を防いでいるとしか考えられない。
よく誤解されているが、地方議員はヒマだ。都議会でも昨年開催されたのは83日間しかない。時間があるので、完璧な“ストーリー”を組み立てて、「政務活動費」という「生活費」を好き勝手使う議員も少なくない。そういう連中に比べたら、「この国の議員は“政治で生計をたてること”で頭が一杯ですよ」と身をもって国民に示した野々村さんのほうがよほど「政治家」らしい仕事をした。
関連記事
- ブラック企業問題はなぜ「辞めればいいじゃん」で解決しないのか
従業員を劣悪な環境で働かせ、使い捨てにする――。いわゆるブラック企業が社会問題になっているが、なぜそこで働く人は会社を辞めようとしないのか。その背景にあるのは……。 - 借金大国日本で“踏み倒す人”が急増している理由
国民年金、給食費、授業料、治療費……今、公的な支払いを踏み倒す人が増えている。この背景には、いったいどんな「裏」があるのだろうか? - NHKが、火災ホテルを「ラブホテル」と報じない理由
言葉を生業にしているマスコミだが、会社によってビミョーに違いがあることをご存じだろうか。その「裏」には、「華道」や「茶道」と同じく「報道」ならではの作法があるという。 - なぜマスコミはインチキをしても「ごめんなさい」と言わないのか
普通の企業ならば謝罪会見モノの不祥事が発覚しても、しれっとした顔でやり過ごしている業界がある。言わずと知れた、マスコミだ。なぜ彼らは意地でも頭を下げないのか。そこには一般人にははかりしれぬ“美学”があったのだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.