インタビュー
業務提携ってどのように進めるの? JALの達人に“交渉術”を聞いてきた:仕事をしたら“交渉”が成立した(7/7 ページ)
「『業務提携』を担当する人って、厳しい交渉をしなければいけない……」といったイメージがあるが、実際のところはどうなのか。JALでコードシェアを担当している人に、他社との交渉術を聞いてきた。
ギブアンドテイクの世界
土肥: コードシェアの提携交渉って、お願いばかりではいけませんよね。
カムチャイパイ: 例えば「JALの東京―北海道の便でコードシェアをお願いしたいのですが……」という依頼があれば、基本的に「No」とは言いません。ただ、システム面の問題や航空権益の問題(国の規制などによって運航できないエリアがある)などで、提携することが難しいことがありますね。
土肥: 基本的には、ギブアンドテイクの世界ですよね。JALが「テイク、テイク、テイク」ばかり言っていてはダメ。
カムチャイパイ: この世界は、ウインウインの関係でなければいけません。ドイさんがご指摘されたように、JALばかりが「テイク、テイク、テイク」と言ってはいけません。先方にギブ、先方からテイク――このような関係を構築することができれば、うまくいくのではないでしょうか。
土肥: オレが、オレが、オレが――といった性格の人はこの仕事に向いていないですね。人生のモットーは「お互いさま」といった人でないと。これまであまり語られなかった仕事の話、興味深かったです。本日はありがとうございました。
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