女性器の3Dデータを配って逮捕、“ろくでなし子騒動”を世界はどう見たか:伊吹太歩の時事日想(1/3 ページ)
3Dプリンタで女性器の造形を出力できるデータを頒布したとして、逮捕された漫画家「ろくでなし子」。この一連のニュースは海外メディアも大きく取り上げている。読者のコメントを見てみると、日本について“誤解”している人がいかに多いかが分かる。
著者プロフィール:伊吹太歩
出版社勤務後、世界のカルチャーから政治、エンタメまで幅広く取材、夕刊紙を中心に週刊誌「週刊現代」「週刊ポスト」「アサヒ芸能」などで活躍するライター。翻訳・編集にも携わる。世界を旅して現地人との親睦を深めた経験から、世界的なニュースで生の声を直接拾いながら読者に伝えることを信条としている。
ここ最近、国際情勢は深刻なニュースが続いている。イラク、パレスチナ、ウクライナ東部で撃墜されたマレーシア航空機……。
先週、そうした世界的なニュースをチェックしていたところ、ある日本発のニュースがあちこちで取り上げられていることに気が付いた。ツイート数などを見ても、かなりの反響があると分かる。そのニュースは女性器をモチーフにしてさまざまな“アート”作品を制作していた「ろくでなし子(本名:五十嵐恵)」に関するニュースだ。
日本でもWebを中心に大きな話題になったが、海外では英BBCやガーディアン紙からロシア・トゥデイ、そして米外交誌フォーリン・ポリシーまで、さまざまな大手メディアに取り上げられた。「ろくでなし子」は7月14日、自分の性器をスキャンした3Dデータを頒布したことで逮捕され、彼女の作品が「ワイセツか」「芸術か」といったところまで議論が広がっている。
欧米メディアの記事はどれも、基本的に“ヘンなニッポン”という外国人に好まれるスタンスで書かれている。「五十嵐は、男性器とは違って女性器はタブーになっていると主張」し、「神奈川県川崎市には『かなまら祭(参照リンク)』というペニスの祭りがあり、彼女の意見も分かる」という論調がほとんどだ。
欧米のWebニュースでは、ニュース記事へのコメントを記事の下に匿名で書き込めるスタイルが主流だ。そうしたコメントのほうが、人々の“本音”を表していると思うこともある。この「ろくでなし子逮捕」のニュースは欧米読者たちの間でどんな風に捉えられているのか。欧米の記事にあるコメント欄の意見から拾ってみたい。
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