それ聞いてどうするの? 面接珍質問の真相とは:ヘッドハンターが明かす転職事情ウソ・ホント!?(1/2 ページ)
採用面接で「自分を食べ物で例えるとしたら何?」「コンビニを出すとしたらどこに出す?」などの“珍質問”を出されることがある。一見、採用には関係がないようにも見えるが、これらの質問が意味することは何だろうか。
最近、IT関連企業で働く若者によく会う。1990〜91年あたりの、俗に言う“バブル期”に生まれた世代である。この世代は今現在、いわゆる第二新卒という新卒入社2〜3年目にあたる。ITリテラシーが高い今の若者らしく、FacebookなどのSNSでヘッドハンターの私にコンタクトして来る人もいて、私も積極的に会うようにしている。
昨今、第二新卒向けの求人があふれているせいか、「石の上にも3年」を目安に25歳前後で次のキャリアを考える若者が多い。また、彼らは情報収集に余念がない。具体的に転職活動が進んでいる人には、面接対策のアドバイスをする機会もある。
そんな中、複数の人たちから「面接での“珍質問”に対しての回答はどうすればいいか?」というリクエストを受けたので、まとめてみた。
面接での“珍質問”とは
新卒や第2新卒の採用面接では、スキルや経験よりもポテンシャル(潜在的な力)を見る場合が多く、これらの採用には時折、珍質問が登場する。
「自分を食べ物で例えるとしたら何?」
「今朝、朝食は何を食べた?」
「コンビニを出店するとしたらどこに出す?」
これらは、特に飲食やコンビニ業界の企業が行う質問ではない。つまり、このような「いきなり投げかれられたら、なかなか対処しづらい質問」――それが珍質問である。
「この質問の意図は何か?」という問いにまず答えるとするなら、それは「珍質問は正解があるわけではなく、あなたという人間の中身を知るためのフックとなる質問」ということだ。
また、これらの質問は、大きく3つに分けられる。
- いわゆるコミュニケーション力を見ている。対応からキャラクター、パーソナリティを測っている
- 知識を問う質問で、世の中の出来事を知っているか、世の中に関心をもっているかを測っている
- ロジカルに課題解決をする力を持っているかを測っている
これらは正解があるわけではない。結果として、日頃の自分が問われているわけである。つまり、解答は自分の中にある。そうなると、付け焼刃的に乗り切ることはなかなか難しい面があるので、対策として、自己分析をしっかりやることが重要となる。
「どんな学生生活を送ってきたか、学生時代に本気で打ち込んだことは何か。今の会社で何をしているのか、どういうスタンスで仕事をしているのか?
失敗経験や成功経験は?また、それを次にどのように生かしているのか?――。そしてそうした自分はこれからなにをやりたいのか、それはなぜか」
こういう視点でもって自分を語れるようにする。そして、どんな質問に対してもこの軸を伝えるようにすればいいのである。
- 自分はどういう人間かをアピール
- 相手がどういう人材を求めているかを理解した上で、「だから私は貴社のニーズに会う人間なのですよ」ということを伝える
この2つの軸でもって珍質問に対処すれば、回答を導き出せると思う。
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