本部はやっぱり怖い……コンビニが夏に「おでん」を売るワケ:ご一緒に“おでん”いかがですか(1/4 ページ)
暑い夏の日にもかかわらず、コンビニでは「中華まん」や「おでん」といった“熱いモノ”が販売されている。買っている人は少ないだろうに、なぜ暑い日におでんを売っているのか。その理由は……。
著者プロフィール・川乃もりや:
コンビニ本部で社員をして10年余り、いわゆるスーパーバイザーなるものを経験し、何を思ったか、独立オーナーに転身した。齢40にして、自分の仕事についての足跡を残したくなり、仕事の合間に誠ブログ「とあるコンビニオーナーの経営談議」を始める。
旅行とお酒が大好きだが、コンビニ経営をしていると、なかなか旅行に行く時間がとれない。その一方で、アルコールの量は増えるばかり。
ご一緒に“おでん”いかがですか:
多くの人が一度は利用したことがある「コンビニ」。決して大きなスペースではないが、そこで何が起きているのだろうか。陳列台にはたくさんの商品が並んでいるが、何が売れているのか、またなぜ売れているのか。コンビニの現在と過去を紐解きながら、ちょっとした“謎”に迫っていく。
筆者は大手コンビニの本部社員として活躍し、現在では店舗を構えるオーナー。コンビニの表と裏を見てきた者だけにしか書けないコラムはいかがですか?
「まんじゅうこわい」という落語をご存じだろうか。
長屋の若者が集って、自分の怖いものを話していると、主人公の若者が「俺は怖いものなんてないよ」と言うわけですよ。するってぇと、他の者が「そんなことはないだろ。なんかあるだろう」と若者に詰め寄り、主人公の若者は「そうだ! まんじゅうが怖い」と言い出すんですね。
他の若者たちはそれじゃあイタズラしようってんで、まんじゅうをしこたま買って、布団に包まって「まんじゅうこわい」と、震えてる主人公の枕元にまんじゅうを置いて様子を見ていると、怖い怖い言いながらまんじゅうをパクパク食っているじゃないですか。
「おいおい俺たちだまされたんじゃねぇか」と……「本当に怖いものは何だ?」と主人公に聞くと「本当はお茶が怖い」と落ちがつく。
夏の怖いものと言えばお化けが定番だが、コンビニオーナーにとってはもっと怖いモノがある。それは「中華まん」と「おでん」だ。
落語のまんじゅうと違って、中華まんとおでんは本当に怖い。なんせ気温が30度を超える中、熱い商品をスタートさせようっていうんだから、冷や汗じゃなく本当の汗が吹き出てくる話だ。読者の皆さんも想像に難くないだろうが、改めてオーナーが「中華まん」と「おでん」が怖がっているワケを紹介しよう。
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