本部はやっぱり怖い……コンビニが夏に「おでん」を売るワケ:ご一緒に“おでん”いかがですか(2/4 ページ)
暑い夏の日にもかかわらず、コンビニでは「中華まん」や「おでん」といった“熱いモノ”が販売されている。買っている人は少ないだろうに、なぜ暑い日におでんを売っているのか。その理由は……。
売れない、売れない、廃棄量がスゴい
売れない
夏の暑い日、中華まんとおでんは、とにかく売れないのだ。
本部のバカヤ……いえ、エラい人たちは「売れないのは努力が足りないからだ」と説教してくる。そんなことを聞いたら、こちらもカチンときて「あーだ、こーだ」と反論していると、最後には「ラーメン屋は夏でも営業しているじゃないですか。ボクもさっき食べてきましたけど、店内は満員でしたよ」とたたみかけてくる。
さらにカチンとくるが、こちらは大人なので、その場では冷静を保つものの、もちろん納得がいっていないのだ。このイライラはなかなか分かってもらえないかもしれないが、中華まんとおでんを扱っているコンビニオーナーは賛同してくれるだろう。
オススメしても売れない
気温30度を超す中、お客さんに「『中華まん』と『おでん』を始めました」とオススメしても、ほぼ100%断られる。中には「フフ……」と笑う人も。笑われるくらいならまだマシで、異星人でも見るような目で返されると、「何やってるんだオレは……」と気分が沈む。
オススメして10人中1人でも買ってくれれば「やっててよかった」と思うだろうが、100人にススメて100人に断られると、いつの間にか「どーもすいません。ご迷惑をおかけしました」と謝罪が口癖になることすらある。このままでは、「夏の熱い商品のせいで、性格が変わってしまったじゃないか」と八つ当たりするオーナーが出てきそうだ。
廃棄がすごい
作ったモノが売れなくて、そのまま廃棄になるので、店の利益が圧迫される。
廃棄額が1日に5000円増えたとすると、月間15万円のロスになる。ファストフード系は比較的原価が低いが、コンビニの廃棄額算出は、全体の総粗利から算出される。ややこしい話なので、簡単に説明すると、中華まん、おでん自体の原価は50%だとしても、店全体の売上原価が70%だとしたら、70%で計算される。要するに、仕入原価より高い金額で計算されるというわけだ。
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