なぜ、“うどん県”からチェーン店が出てこないのか:仕事をしたら“うどん”のことが見えてきた(前編)(1/7 ページ)
「丸亀製麺」「はなまるうどん」「つるまる」――。讃岐うどんを扱っているチェーン店を調べてみると、ある共通点があった。それは、どれも本社がうどんの本場・香川県でないこと。その理由について、香川大学大学院の高木知巳准教授に聞いた。
「今日のお昼ごはんも『うどん』にしよう。のどごしのツルツル感がたまんないよ」という人も多いのでは。全国の男女に、最もよく食べる麺類を聞いたところ「ラーメン・中華めん」に次いで、「うどん」は2位。自宅でよく食べる麺類については「うどん」が1位だった(マイボイスコム調べ)。
街を歩いていても、クルマを運転していても、「うどん屋」の看板を目にすることは珍しくないのだが、ひとつ気になることが。それは「なぜうどんの本場『香川県』から、チェーン店が出てこないのか?」である。例えば、業界最大手の「丸亀製麺」を運営しているトリドールの本社は兵庫県神戸市。2位の「はなまるうどん」は香川県高松市で創業したものの、現在は吉野家ホールディング傘下で本社は東京都中央区。
大手2社がたまたま都市部に拠点を置いているだけであって、中堅は香川県に本社を置いているのかもしれない。気になったので調べてみると、「つるまる」を運営しているフジオフードシステムの本社は大阪府大阪市。「どんどん庵」を運営しているディー・ディー・エーの本社は愛知県名古屋市。「麦まる」を運営しているグルメ杵屋の本社は大阪府大阪市。
うどんチェーンを運営する上位5社の本社は、いずれも香川県ではない。「なんと! これは興味深い」と思って、さらに調べていくと、すでにこの問題を分析している人がいらっしゃった。香川大学大学院で教壇に立つ高木知巳(たかぎ・ともみ)准教授は、香川県からうどんチェーン店が出てこない理由として「職人と商売人の発想の違い」を挙げている。どういうことか? 気になったので、話をうかがった。聞き手は、Business Media 誠編集部の土肥義則。
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