iPadレジで「予約革命」──外食産業「実はIT化が重荷」なぜ?:ネット予約が急増、悩む飲食店(3/3 ページ)
リクルートのモバイルPOSレジアプリ「Airレジ」の利用者が増えている。ターゲットは外食店など「実は、IT化が重荷な部分もある」と考える各種サービス業の店舗。なぜ、外食産業はIT化で悩んでいるのか
ネット予約は、もう軽視できない iPadレジで「予約革命」を
飲食店も当然、既存のPOSシステムをはじめ、IT化済みの部分は多い。でも、予約台帳については、デジタルをわざわざアナログに戻して運用している。
ただ、70%以上の利用者がスマホでのネット経由でアクセスしている現状、ネット予約はもう軽視できない。
その悩みをサービス提供社であるリクルートライフスタイルは、店側システムであるAirレジと、利用者向けアプリホットペッパーグルメを組み合わせて解消する方針だ。
Airレジとホットペッパーグルメでデータベースを共有させ、店舗管理のシステムと、利用者からの予約情報を結ぶ。デジタルの予約台帳をクラウド経由で一元化し、客からの予約内容変更も空席に合わせて自動調整できる。顧客情報や別途ビッグデータなどとも連携できれば、リピーター対策や客足予測を行うといった連携も可能だ。客へも、アプリで「現在、このお店は“5席”の空きがあります」といった、より具体的な検討情報を提供できる。
「ホットペッパーグルメは、詳細情報掲載店数約7.8万店(総掲載店は約70万店)、ネット予約できる店は3万店。そしてその情報へ70%以上がスマホからアクセスされている。今後、システムを生かして、事前オーダー/並ばず買えるなどの仕組みなども取り入れたい。Airレジはオモテの基本サービスとともに、店舗のコスト削減や業務負荷軽減の面でのサポートにも注力する。個人商店や小規模店舗の方はもちろん、従来のPOSシステムをすでに導入している店舗の方も、ネット予約を重視するならばぜひ試していただきたい」(リクルートライフスタイルの大宮執行役員)
「予約革命」とは大げさに聞こえるかもしれない。ただ、いくつもの障壁で飲食店が導入をあきらめていたIT化、クラウド化の部分を、集客効果付きで、かつ低コストで打開できる。客の利便性、店のPRと集客、サービス提供社の収入や集客力、いずれもうまく回ることを想定した、日々の生活に密着した領域を囲うビジネスモデル。ここはAirレジをハブにした狙いのキモのようだ。あ、レジがiPadだ。屋台の焼き鳥屋さんやコミケの個人ブースでもクレカ対応なの? ──そう驚くのも、今後数年で当たり前になっているのかもしれない。
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