連載
ご存じ? 今「新日本プロレス」が盛り上がっている:臼北信行のスポーツ裏ネタ通信(3/4 ページ)
「プロレス? 昔は好きだったけどなあ」という人も多いのでは。日本のプロレス界は長きに渡って低迷を続けているが、実は1社だけ“ひとり勝ち”をしている団体がある。「新日本プロレス」だ。
悪い流れを断ち切るために
確かにひと昔前までの新日本プロレスは「コア」であり「マニア」がファン層をほぼ独占していた。1972年にアントニオ猪木が旗揚げ。その過激なストロングスタイルによって「新日本以外の団体はプロレスじゃない」とまで言い切るような、いわゆる“新日信者”たちから圧倒的な支持を得ていたが、2000年代に入ると総合格闘技ブームの波に飲み込まれて人気が低迷。一気に倒産危機へと陥った。
人気レスラーたちが他団体へ流出するなどの分裂騒動も、そんな「コア」であり「マニア」たちのファン離れに拍車をかけてしまった。
長年に渡って熱狂的なファンに支えられていたことで新日本プロレスの幹部は甘えが生じ、新しいファン層を獲得する努力を怠っていた。「コア」や「マニア」のファンばかりに頼っていては、総合格闘技や他のプロレス団体と“共食い”を繰り返すだけだ。
その悪い流れを断ち切るためには「コア」や「マニア」に独占されるようなプロレスではなく、ライトユーザーたちがすんなりと入っていけるような環境を作り上げるしかない。ファンの新規開拓に奔走すべく、木谷氏はさまざまなアイデアを練り上げて見事に新境地を切り開いたのである。
所属レスラーの1人は、このように打ち明けてくれた。
関連記事
- なぜ日本のプロレスはつまらなくなったのか?
再び、全日本プロレスが分裂した。きっかけは新たに就任したオーナーによる「ヤラセ」発言だった。プロレス業界は離れてしまったファンを取り戻すために、何をすべきなのか? - なぜ「のどごし〈生〉」のプロレスCMにグッとくるのか? 担当者に“裏話”を聞いた
会社員の男性が、プロレスラーの長州力さんと対決するCMをご存じだろうか。このCMについて、ネット上では「感動した」といったコメントが数多く寄せられたが、制作現場ではどのようなことが起きていたのか。担当者に“裏話”を聞いた。 - 松坂大輔がどんなに落ちぶれても「メジャー」にこだわる3つの理由
2013年8月、メジャーリーガー・松坂大輔のニュースが久しぶりに話題となった。自ら3Aを退団し、登板機会を求めてニューヨーク・メッツへと移籍したのだ。 - 年俸6億5000万円は、本当に「高い」のか? ベテラン「イチロー」の価値
天才バッターが岐路に立たされている。新戦力下のヤンキースでは「開幕スタメン落ち」で「外野手の5番手」という扱い。ただ、一方では「他のどんな選手にも勝る」と高い評価を受けている。この“ベテランの価値”をビジネスの現場になぞらえながら再認識しよう。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.