なぜ海外でウケたのか? ユニ・チャームの紙オムツとコミーの業務用ミラー:世界で売れてる、日本発のヒット商品(5/7 ページ)
ユニ・チャームの紙オムツがインドネシア市場で伸びている。業務用ミラーを扱うコミーの鏡が世界中で支持されている。なぜ両社の商品は、海外でウケているのか。その理由について、マーケティングに詳しい永井孝尚さんに話を聞いた。
世界シェアトップのコミー
土肥: ユニ・チャームがどのようにしてインドネシアで紙オムツ市場を展開したのか、といったお話をうかがいました。次に、もう1社の事例を紹介していただけますか?
永井: 業務用のミラーを製造・販売しているコミーという会社をご存じでしょうか。コンビニや書店の天井、ATMの後方確認、車庫の安全確認用などに「凸面鏡」(全体に丸みを帯びた鏡)がありますよね。平面構造でありながら広い視野角を得られる「FFミラー」という特殊な鏡を開発していて、国内シェアは8割。世界シェアもナンバーワンの会社は埼玉県の西川口にあって、従業員は14人。
2007年に初就航して話題になりましたが、大型ジェット旅客機「エアバスA380」の手荷物入れの上部に、FFミラーが装着されているんですよ(関連記事)。業務用ミラーでシェアを独占しているコミーは、なぜ航空業界で採用されたのか。「フレームワーク」で整理するとよく分かります。
土肥: では、順番に質問させていただきます。まず、コミーの強みは何でしょうか?
永井: 業務用ミラーの使い方を熟知していること。同社の平面ミラーは凸面鏡のように広い範囲を見ることができて、樹脂製で軽く傷つきにくい。また、両面テープで取り付けも簡単なんですよ。
土肥: その強みを必要としているお客さんは誰でしょうか?
永井: さまざまな業界で使われていますが、航空業界で考えると、4つに分かれます。実際に使うユーザーは、乗客、客室乗務員、航空会社。そして、購入するのは、ボーイングやエアバスなどの航空機製造メーカーです。
土肥: その人たちは何を必要としているのでしょうか?
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