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“立派な情報操作”にご注意を! カジノにまつわるいかがわしさ:窪田順生の時事日想(3/3 ページ)
「カジノにまつわる議論」が熱を帯びてきているが、かなりいかがわしい話が横行している。法案も決まっていないのに「(カジノができるのは)大阪、沖縄でほぼ決まり」「運営は外資に任せなければいけない」といった情報が出てくるのはなぜか。
自信たっぷりにウソをふれまわるカジノ業界
こういう現状にもかかわらず、実は「日本にノウハウがない」とふれまわるラスベガス・サンズのシェルドン・アデルソン会長自身もまったく違う畑から62歳でカジノを始めた「新参者」だ。40年以上もカジノをやってきたスティーブ・ウィン(ウィン・リゾーツの創業者)に言われるのならまだしも、自分のことを棚にあげて、よくもまあ自信たっぷりにこんなハッタリをかませるなと逆に尊敬してしまう。
閣僚のスキャンダル続出で、IR推進法の行方も不透明でハッキリとしたことは言えないが、成立したらこんなインテリジェンス合戦がさらに拍車にかかることだけは断言できる。
基本的にバクチというのは、相手に自分に“手”を読まれることなく、いかにハッタリをかますかという心理戦だ。だから、正直者はバカを見る。
自信たっぷりにウソをふれまわるカジノ業界の魑魅魍魎(ちみもうりょう)に注意したい。
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