フリーランスが抱える不安とは? お金にまつわるセーフティーネットを考える:ライフネット岩瀬大輔氏 × クラウドワークス吉田浩一郎氏(2/4 ページ)
正規雇用者と違い、安定した収入も、企業からの保護もないフリーランス。21世紀の新しい働き方をしている彼らが抱える不安と、解消したくてもできないその実情についてクラウドワークスCEO・吉田氏とライフネット生命保険COO・岩瀬氏が語り合った。
有給休暇や傷病手当金のない不安
―― フリーランスの皆さんが抱える不安について、データを交えながらお話いただけますか。
吉田: 出産、子育てをされている女性がフリーランスとしてクラウドワークスに登録し、実際に稼働しています。そのため、25歳以降の年齢が多いようです。クラウドワーキングする最大の理由は「副収入を得るため」次いで「自分のスキルを生かすため」となっています。クラウドワークスだけで年収1000万円を得ている人もいます。
岩瀬: それはすごいですね。何をしてそんなに稼いでいるんでしょうか。
吉田: その人はプログラマーですね。もちろん、クラウドワークス以外でも仕事をしてよいわけですから、こちらで把握していない収入もあるかもしれません。
岩瀬: なるほど。しかし、不安もあるようですね。ライフネット生命保険で500人のフリーランサーを対象に「どんなことに不安を感じているのか」調査したことがあります。1番は「収入が安定しづらい」でしたが、半数以上の人が「病気やケガに対する保障が少ない」ことを心配していました。
岩瀬: 企業に勤めていれば、病気やケガをしても健康保険などによって会社から守られていることもありますが、フリーランサーにはそのようなものがありませんよね。
吉田: あと、「ローンやカードの審査が通りづらい」というのもありますね。これは結構由々しい問題ですよね。賃貸住宅に入居しづらいこともあります。
岩瀬: そうなんですよね。フリーランスになると、住むことすら難しくなるという問題が出てきますね。
会社員だと、傷病手当金があります。完全に休んだとしても、それまでの月収の6割が最長1年6カ月給付される、というものです。会社員であれば、万が一長く休んだとしても、健康保険の仕組みとしてそのような手当があるので、安心できます。
一方、フリーランスでは、そのようなものがありません。しかも、3人に1人は「傷病手当金がない」ということを知らないというのが現状です。
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