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安倍首相は何のために解散するのか:藤田正美の時事日想(2/2 ページ)
消費税10%への引き上げを延期し、11月21日に衆議院を解散すると発表した安倍首相。このタイミングで解散する理由を「増税の実行は前回の公約に入っていなかったから」と説明しているが、解散などしている暇はあるのだろうか?
偉大な政治家は、国家としてやらねばならないことを国民に向かって説明をし、そして国民を説得するものだ。今回も安倍首相が「それでも消費税は引き上げなければならない」と言って、解散をするのであれば立派だったと思う。野党との対立軸もできただろう。もちろん消費税を引き上げて、不利になるから解散はしないという選択も当然ある。法律に決まっていることだから、別にそれ自体は争点でも何でもない。
そして取りあえずは補正予算を組み、第3の矢の成長戦略を実のあるものにするのが安倍首相の役割だったはずだ。結果的に易きに流れ、大局を見失ったということになるのだろうか。日本の将来を考えると、残念なことに違いない。
著者プロフィール:藤田正美
「ニューズウィーク日本版」元編集長。東京大学経済学部卒業後、「週刊東洋経済」の記者・編集者として14年間の経験を積む。1985年に「よりグローバルな視点」を求めて「ニューズウィーク日本版」創刊プロジェクトに参加。1994年〜2000年に同誌編集長、2001年〜2004年3月に同誌編集主幹を勤める。2004年4月からはフリーランスとして、インターネットを中心にコラムを執筆するほか、テレビにコメンテーターとして出演。ブログ「藤田正美の世の中まるごと“Observer”」
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