便利なはずの自動水栓が人々をイライラさせる:水が出たり、出なかったり(2/2 ページ)
世の中には「なぜそうなったの?」と疑問に感じるモノがある。例えば、ビルなどの洗面所に設置されているセンサー付きの自動水栓蛇口。手を差し出すと水が流れるはずなのに、出なかったり、勢いよく出たり……。
ユーザー満足度が上がるように
これらは(最後の例を除いて)、人体検知センサーの検知範囲や水量の設定の問題です。後者は施工時の設定がいい加減な場合が多いようですが、前者は長い間使用しているうちに汚れ・傷などの要因によりセンサーの受光量が変わってしまうことが主な理由のようです。つまり、ある程度の経年変化は仕方ないのでしょう。すると問題の本質は、定期メンテナンス時に調整がされていないことです。まったく水が出ないなら修理されるのでしょうが、とにかく水が出るなら問題ない、と施設管理側が見逃してしまうわけです。残念なことに、メーカーや施工業者がこうした問題点を気にかけているといった話は聞いたことがありません。
でもその結果は、先に挙げたようなユーザーの小さな不満が蓄積することと、主な目的たる節水が中途半端になってしまうことです。特に、せっかく多くの人に便利さを体験してもらって自らの技術力をアピールできるはずのメーカーからすると、「なんだこのメーカーの製品は役立たずだな」と人々に思われかねません。自宅で水回りの製品を買い替える際にそうした評価が頭をよぎらない保証はありません。(服を濡らされたなどの)場合によっては小さな恨みさえ買いかねず、ネットで悪評を流す「自称ユーザー」も現れてくるでしょう。
そんな理不尽な……と思われるかもしれませんが、消費者のメーカー選考基準なんて個人的体験が一番強いものです。そうした思わぬ低評価や理不尽な中傷を避けるためには、メーカーや施工業者から施設管理者に働き掛けて設定が狂っていないか積極的にチェックしてもらうことと、より簡単にセンサーやバルブの設定調整ができるように製品改良を進めることです。せっかくの「ハイテク・ニッポンの象徴」ですから、よりユーザー満足度が上がるようにしてほしいものですね。(日沖博道)
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