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なぜLINEの「既読スルー」にイラッとするのか コンセンサスなき紛争烏賀陽弘道の時事日想(5/5 ページ)

LINE、Twitter、FacebookといったSNSの利用をめぐってトラブルが相次いでいる。PCやスマホなどから気軽に自分の言葉を発信できるのが大きな魅力なのに、なぜトラブルが起きてしまうのか。

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「インターネット・デストピア」のもうひとつの姿

 固定電話が人々のコミュニケーションメディアの王座から降りると、そんな了解事項は「死語」になった。そして携帯電話が出てきて、ネットが普及して、SNSが出てきてと、まるでビッグバンのような猛烈なスピードで、コミュニケーション・メディアが増加した。その1つ1つに、小さなグループごとの「了解事項」が生まれ、それがないグループと摩擦や対立が起きる。インターネットによって、了解事項は解体し「大きな少数のグループ」から「小さな無数のグループ」に分裂していく。こうした現象は「社会のバルカン(半島)化」と呼ばれている。

 人間の思考や、あるいは合意や了解の形成よりはるかに早いスピードで、テクノロジーは進歩する。新しいサービスや機器が登場する。この「進化のスピードの速さ」ゆえに、インターネットは理解よりは誤解を、平穏よりは混乱を生むのではないか。これが「インターネット・ディストピア」のもうひとつの姿である。


SNSが普及した結果……さまざまな弊害も生まれている(写真はイメージです)
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