袋が開けにくくてイライラ……残念なインスタント食品:惜しい!(2/3 ページ)
世の中にある「折角なのに惜しい!」といったモノがありますよね。例えば、インスタント食品の包装。調理中に封を切ろうとすることが多いのに、なかなか切れない。こうした小さな不満が続くと、購買に影響するのではないでしょうか。
詰めの甘さが見え隠れ
でも食品の種類はどんどん増やす割に、そして味付けに関してはいろいろと工夫している割に、加工食品メーカーの多くは包装の開けやすさについてはあまり気に掛けていないのではないでしょうか。折角のいい商品なのに、詰めの甘さが見え隠れするのです。特にパッケージの中にある、調理中に手で開けることの多いソースやスープの小袋です。
こんなことを言うと、メーカーの人からすぐに反論が出てきそうですね。
「当社はちゃんと気に掛けている。だから小袋には切り込みを入れたり、どこから切っても手で切れるようにしたり。もう少しゆっくりと切り裂いてもらえばちゃんと切れるはずだ」。そうですね、おっしゃる通りなのですが、にわか料理人は余裕がないため、調理中にはつい急いで封を切ろうとするのです。
「そもそも包装に表示しているが、封を手で切りにくいときにはハサミで切ってほしい」。これもその通りです。あらかじめハサミで封を切って立て掛けておけばいいだけです。でも段取りの悪いのが素人料理人で、つい調理中に封を開けようとするのですが、手近にハサミもなかったりするのです。
「当社は食品の安全と味、品質とコストのバランスに力を入れている。パッケージのデザインならともかく、スープやソースの小袋の開けやすさなんて、いくらがんばったってそれで製品が売れるわけじゃない」。確かに製品が売れる要素にはなりませんが、商品に対する不満要素にはなりますし、そのせいで販売のブレーキになることはあり得ます。
事実、小生も何度か同じ目(封の切り損ないによる失敗)にあった商品は多少憶えていて、そのブランドの商品は買うのを避けるようにしていますし(かなしいかな、半年もすると忘れてしまい、同じ商品を買ってしまい失敗を繰り返したことはありますが)、妻にも伝えます。
包装の開けやすさというのは、調理中や作業中に封を切ろうとする傾向にある製品に共通する注意点ではありますが、こうした小さな不満に対する改善をどれほど真剣に考えてくれるかは業界によってもメーカーによっても千差万別です。少なくとも加工食品の包装に関しては食品メーカーというより包装メーカーの責任になって、しかも一般的にはコストが優先されます。小袋の封の開けやすさなどというマイナーな点については、お世辞にも「よく工夫されている」とは言いにくいのが実情のようです。
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