なぜ中国で“甘いマヨネーズ”が売れたのか キユーピーの地道な作戦:仕事をしたら“粘り腰”で売れた(1/7 ページ)
中国で“甘いマヨネーズ”が売れていることをご存じだろうか。キユーピーが中国で展開を始めたのは1993年。当時の家庭に「マヨネーズ」はなかったが、どのようにして普及していったのだろうか。同社の広報部に聞いた。
野菜にかける、お好み焼きにかける、サラダに混ぜる、サンドイッチの具に混ぜる、ゆで卵にかける――。
この言葉を聞いて「マヨネーズ」を想像する人は、かなりの“マヨラー”と言ってもいいかもしれない。調査会社マイボイスコムが行った調査によると、「マヨネーズが好き」(82.8%)という人は8割を超え、利用頻度も「週2〜3回以上」(53.1%)という人が5割を超えている。マヨネーズは“食卓に欠かせないモノ”のひとつになっているが、海外ではどのくらい売れているのだろうか。
キユーピーの決算資料をみると、2013年度の売上高は5305億4900万円だが、海外売上高比率は5%にも達しておらず、ここ数年その割合は横ばい。「なーんだ。海外で成功を収めている他の食品メーカーに比べると、物足りないなあ」と思われるかもしれないが、早合点しないでいただきたい。同社が10月2日に発表した2013年12月〜2014年8月期の数字をみると、海外売上高比率が5.6%と前年同期に比べて1.2ポイント上昇しているのだ。
その牽引役になっているが、中国市場だ。「中国経済は発展してきたし、マヨネーズを購入する人が増えてきたのでしょう?」と思われるもしれないが、事情は少し違う。中国では生野菜を食べる食文化がないので、日本のようにサラダにマヨネーズをかけることはしない。野菜を使った料理は炒め料理や漬物――。そんな中国で、なぜマヨネーズが売れているのか。キユーピー広報部に話をうかがった。聞き手は、Business Media 誠編集部の土肥義則。
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