世の中の仕事の9割はつまらない?――中2の娘と4時間半激論してみた:父と娘のマジトーク・クリスマス特別企画(4/8 ページ)
女子中学生と父親がテーマに沿って深く話し合う「父と娘のマジトーク」。連載が終わって約1年、中学2年生になった娘が「働くこと」について話したいと言ってきたため、連載の番外編をお送りします。何のために働くのか? 父の仕事を子どもはどれくらい知っている? 現代っ子が仕事について、どんな期待と不安を抱いているのか、徹底的に話し合いました。
15年後、今は存在しない産業に携わっているかもしれない
父: いまの若い人って、将来を不安視する傾向があるらしい。ちゃんとした仕事に就けるだろうか、お金は稼げるだろうか、結婚できるだろうか、老後は大丈夫だろうか、政府の舵取りは問題ないだろうか、と。
娘: あたしはどっちかって言うと、不安より期待のほうが大きいよ。
父: そりゃいいことだ。ちなみに不安要素って何?
娘: やりたい仕事に就けるか、就けたとしても周りの人についていけるか、だね。
父: やりたいことはあるの?
娘: 動物関係の仕事をしたいとモヤモヤッと思うくらいで、べつにこれって決めたわけでもないし、まだ分からない。
父: そりゃそうだ。知らない仕事のほうがはるかに多いしね。これから時間をかけて探していけばいいんじゃない?
娘: お父さんは中学生のとき、将来のイメージはあったの?
父: ぜんぜんない(笑)。なにしろ、当時は存在すらしなかった世界で働いているからなぁ。
娘: どういうこと?
父: お父さんが子供のころは、家にはパソコンも携帯電話もなく、インターネットなんてSFの世界の話だったんだ。
娘: お父さんは昭和の人だしね。
父: でも、どういう巡り合わせか、インターネットの世界に身を置いている。ここがゴールではなかったけど、いろんなことをやっていたらたどり着いちゃった。同じように、15年後のサオリは今は存在しない産業に携わっているかもしれない。
娘: そんなことあるのかなー?
父: 革命的な技術革新のせいで今存在する仕事がなくなって、新しい産業が生まれることはよくあるじゃん。
娘: 馬車の代わりに、自動車が誕生したとか?
父: そうそう、現代だって馬車に当たる何かはあるし、馬車に代わる新しい何かもあるよ。
娘: だとしたら、いくら考えても結論なんて出ないよ?
父: ここで結論を出さなくていいよ(笑)。いま持っている知識だけで将来を決めようとしないってことだけ、覚えておいて。
クラウドファンディングってすごすぎる
父: 将来の選択肢は、今ある仕事から選ばなくちゃいけないとは決まっていない。たとえばこのサイトを見てごらん。
娘: キャンプファイヤー?
父: 「クラウドファンディング」といって、アイデアに対してお金を世間一般の人々から集める仕組みなんだ。音楽、本・漫画、アート、映画……「アイデアはあるけど、お金がないからみんな助けて!」って呼びかけることができる。
娘: えーっとなになに、「戦艦大和を復元するプロジェクト」、「写真集を作る」、「オタクイベントを開催する」、「アフリカに日本食を広める」……関係ないものがいっぱい並んでいるけど、まさかこれを本気でやろうとしているの?
父: そうだよ。パーセンテージは、目標額に対する、現時点で確保した金額の割合だ。
娘: どれどれ……えぇっ! 戦艦大和は149%!? しかも、100万円以上も集まっているよ。すごいじゃない!
父: このアイデアに賛同して、応援したいって人がそれだけいるんだな。キャンプファイヤーだけじゃなく、「READYFOR?(レディーフォー)」とか、「Makuake(マクアケ)」、「ShootingStar(シューティングスター)」とか、すでにいくつものクラウドファンディングサイトがあるよ。
娘: すげー……お金ってそんなカンタンに集まるものなんだ……。ん? まだ5%しか達成できてないアイデアもあるね、イケてないってことかな。
父: それは募集を開始して間もないからだよ。お父さんが言いたいのは、やりたいことがあるなら、クラウドファンディングって手段もある、ってこと。お金がなくても、仲間がいなくても、クールなアイデアと行動力があれば、何かを始められるんだ。ステキだろ?
娘: すごいよ〜、クラウドファンディングすごすぎるよ〜!
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