遊び心満載! 即決で商品化した「鉄道キャラメル」はいかが?:杉山淳一の時事日想(2/4 ページ)
2014年12月からJR東日本の駅売店に「鉄道キャラメル」シリーズが並んでいる。中身は明治の定番商品「サイコロキャラメル」だ。これは面白い! 普段は「鉄道グッズなどに釣られるものか」と思っている筆者も、わしづかみしてレジに直行してしまった。
提案したら即決だった
発案はジェイアール東日本企画(jeki)の社員だという。
「明治さんがサイコロキャラメルの拡販を検討しているという話を聞いて、駅で売るならこのデザインだろうと思い付き、カラープリンターで試作品を作ってプレゼンしたら大ウケでした。即座に決まったと聞いています」
そうだろうなあ。企画段階でも分かりやすいし、面白いし、話題になるに違いない。jekiはJR東日本の車両や駅の広告を取り仕切る会社だ。鉄道関係の商品について意匠も管理している。その会社から「このパッケージで売ってみませんか」と言われたら、サイコロキャラメルの製造元の明治も、すぐに納得してしまうはずだ。
jekiで商品化の実務に携わった方を通じて、販売元のJR東日本リテールネットと明治に、もう少し詳しい話を聞いた。関係者の楽しそうな様子が伝わってきた。
「サイコロキャラメルの形状を活用するアイデアを話し合っていたところに、試作品が持ち込まれた。箱の1つ1つが車両のように見えた段階で、昨今の鉄道趣味ブームに乗った提案ができて面白いと関係者一同で盛り上がった」
「想像以上にサイコロキャラメルのフォルムと電車のフォルムの合致性が高く、鉄道ファンには魅力的な商品になると思った。即決だった」
鉄道キャラメルの製品化にあたっては、電車の微細な描写の表現に苦労したという。
車両の箱デザインには前後があって、片側はヘッドライト、反対側はテールライトがついている。側面は山手線のE231系、京浜東北線と中央線のE233系が描き分けられている。よく見ると運転台後ろの窓の有無が異なる。窓に対して扉が奥まった様子が影で表現され、ラインカラーも凹凸を再現。行き先表示も路線ごとに細かい字で再現されている。こんなに小さな箱に、鉄道愛をたくさん詰め込んでいた。印刷技術で表現できるぎりぎりのレベルまでこだわっている。
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