遊び心満載! 即決で商品化した「鉄道キャラメル」はいかが?:杉山淳一の時事日想(3/4 ページ)
2014年12月からJR東日本の駅売店に「鉄道キャラメル」シリーズが並んでいる。中身は明治の定番商品「サイコロキャラメル」だ。これは面白い! 普段は「鉄道グッズなどに釣られるものか」と思っている筆者も、わしづかみしてレジに直行してしまった。
お菓子の世界で大切な「楽しさ」を再認識
そもそも明治は鉄道が大好きなお菓子屋さんだ。2009年の山手線命名100周年の記念電車は、往時の車体色がチョコレート色に似ているとして、明治製菓(現在の明治)が協賛していた。正式名称は「ミルチトレイン」という。「ミルチ」は明治ミルクチョコレートの略称で、商標登録もされている。今、山手線では東京駅100周年を記念して赤レンガ色のラッピングトレインが走っている。あれを見て、チョコレート電車を思い出した人も多いだろう。
さらにさかのぼると、2002年から2004年にかけて、ミニトレインというチョコレート菓子を販売していた。新幹線や寝台特急などを模した紙の箱の中に、明治マーブルチョコレートのようなお菓子が入っていたもので、1個100円。外箱の中に内箱が仕込まれていて、引き出すと2両編成になるという仕掛けだった。
懐かしさのあまり、通常のサイコロキャラメルも買ってきた。私が子どものころは赤と白のサイコロだった。現在は賑やかなパッケージになっている。2013年にデザインをリニューアルしたそうだ。子ども向けを強く意識し、白箱に動物のイラストを入れている。でも数字が入っていて、ちゃんとサイコロとして使えるようになっている。また、キャラメルそのものを以前より柔らかくして、食べやすくしたという。ロングセラーのサイコロキャラメルは、実は細かいマイナーチェンジを繰り返しており、担当者も現在が何代目なのかは把握していないようだ。
鉄道キャラメルの開発にあたり、明治は「お菓子の世界で大切な楽しさを再認識した」という。そうだった。お菓子は甘いだけではなく、楽しいものだった。キャラメルを箱詰めするだけではなく、箱をサイコロにしてしまうというアイデア。これも87年前に「お菓子に楽しさを」という思いがあったからだ。その伝統が鉄道キャラメルにも受け継がれている。
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