2015年の鉄道業界はどうなる? 楽しい一年になりそうだ(前編):杉山淳一の時事日想(特別編)(4/4 ページ)
2015年の鉄道業界は、北陸新幹線開業、上野東京ライン開業、大井川鐵道のきかんしゃトーマスなど、ビジネスや観光の両面で話題が多い。そこで、前編、後編の2回に分けて、2015年の鉄道業界の動きを追ってみよう。
震災復旧と新路線開業で盛り上がる仙台地区
東日本大震災で被災した鉄道路線について、石巻線の浦宿―女川間が3月21日に運行を再開する予定。女川地区の復興再開発が加速する。6月には仙台と石巻を結ぶ仙石線も全線復旧予定だ。被災し不通となっていた高城町駅―陸前小野駅間が、一部新ルートとなって運行を再開する。2014年12月14日に、内陸側にルート変更した区間のレール締結式が行われた。
6月の仙石線全線再開に合わせて、新たに運行系統「仙石東北ライン」の運行も始まる。東北本線と仙石線の線路が交差する部分に連絡線を設置して、仙台駅―石巻駅間の直通運転を実施する。仙台と石巻は仙石線だけでも直通運転が実施される。しかし仙石線の仙台駅は地下にあって乗り換えがやや不便。また、仙石線の仙台よりは駅数が多く、追い越し設備もない。これに対し「仙石東北ライン」は仙台駅で新幹線から乗り換えしやすく、運行を再開した駅間へ速く到達できる。
鉄道ファンとしては、「仙石東北ライン」に投入されるディーゼルハイブリッド車両「HB-E210系」の導入が興味深い。東北本線は交流電化、仙石線は直流電化のため、両区間を直通する電車として開発が進められている。2両編成8編成を導入し、最高時速は100キロメートルとのこと。
仙石線の全線復旧から約半年後の12月6日には、仙台市営地下鉄東西線が開業予定だ。現在の南北線と合わせて、仙台中心から東西方向の鉄道も整備される。沿線には東北大学キャンパスや八木山動物公園があり、生活やビジネス、観光面でも期待されている。2015年のホットスポットとして仙台・石巻地区も注目だ。
後編は大井川鐵道「きかんしゃトーマス」の新展開や各地で導入される観光車両、新型車両を中心に紹介する。
(つづく)
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