“ヒトラー安倍”にご用心!? 日本の「群衆」を操作してきたのは誰なのか:窪田順生の時事日想(3/4 ページ)
毎週日曜日に放送されているTBSの『サンデーモーニング』。1月4日には「群衆と戦後70年」をテーマに、コメンテーターたちが議論していたが、筆者の窪田氏はあるパネルを見て驚いたという。
「群衆を操作する方法」を実践
その代表が、1945年12月からNHKラジオで放送されたGHQのプロパガンダ放送『眞相はかうだ』だ。
これはいわゆるラジオドラマで、いかに日本の軍部が悪く、国民を裏切って国家的犯罪へと突き進んでいったかということをドキュメンタリータッチでズバズバと暴いていくというもので、強い言いきりの番組名からして、日本の群衆を「断言」で操ろうという思惑が透けて見える。
さらに、この番組は「眞相箱」「質問箱」とタイトルを変えて2年以上も放送された。ル・ボンが「群衆化」の要素として挙げた「反復」を忠実に実践しているのだ。
こうした日本国民の「群衆化」はGHQが去った後も、しっかりと日本のテレビや新聞に「感染」を果たした。それを象徴するのが、1958年に放送されたドラマ『私は貝になりたい』である。
ご存じのように、日本軍の戦争犯罪を題材にしたもので、その内容に関してはまったくのフィクションであり、『眞相はかうだ』とそう大差はない。そんなプロパガンダ臭が漂うドラマを「不朽の名作」として幾度となく再放送やリメイクを繰り返しているのが、ほかでもないTBSである。
ル・ボンの「群衆を操作する方法」は2つの大戦を経て米国で「広告」や「広報」として花開いた。それが日本にいち早く導入された先はGHQ統治下のラジオである。その流れを汲むテレビが影響を受けないわけがない。
つまり、テレビこそが現代におけるル・ボン理論の正当な後継者というわけだ。
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