コンビニの「野菜」が、なかなか売れない理由:仕事をしたら“2015年”が始まった(後編)(2/5 ページ)
「ホウレンソウ」「トマト」「キュウリ」――。コンビニの棚に野菜が並んでいるが、「よく売れている」という話を聞いたことがない。現役オーナーを務める川乃もりやさんに聞いたところ「売れるわけがない」ときっぱり。その理由は……。
セブン-イレブンの強み
川乃: しかし、いまは違う。「コンビニといえば価格が高い」といったイメージをもっている人も多いと思うのですが、価格差は縮まってきているんですよ。コンビニで扱っているPB商品の価格をご覧になってください。商品によっては、スーパーで販売されている価格よりも安いんですよ。
コンビニは数年ほど前から棚を高くして、スーパーのお客さんを囲い込もうとしている……といった話をしましたが、こうした戦略で成功する確率が高いのは、どこのコンビニだと思いますか?
土肥: うーん、どこだろう?
川乃: セブン-イレブンです。
土肥: どうしてですか?
川乃: セブンにはさまざまな強みがあるのですが、そのひとつに「いろんな業態で商品を売ることができる」ことが挙げられます。ご存じのとおり、セブン&アイ・ホールディングスのグループにセブンは属していますが、その他にもいろいろな業態がありますよね。総合スーパーの「イトーヨーカドー」、百貨店の「西武」「そごう」、食品スーパーの「ヨークベニマル」「ヨークマート」などがあります。グループで大量に商品を購入できるので、安く仕入れることができることが強み。
それだけでなく、セブンで開発したPBをイトーヨーカドーなどで販売することができる。お客さんからすると、イトーヨーカドーで買って「おいしい」と思ったモノが、セブンでも売っていると「ここで買おう」となりますよね。こうした消費行動は、他のコンビニにとってはかなり脅威になります。
土肥: 大量に安く仕入れることができる「規模の経済」を生かすだけだけなく、セブン&アイグループの中で、お客さんをグルグル回して囲い込むということですね。
川乃: コンビニの二番手争いをしているローソンやファミマには、そうしたことができないですよね。
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