YouTuberがどれだけ稼いでいるのかまとめてみた(5/5 ページ)
動画投稿で生活の収益を得る人たちは”YouTuber”と呼ばれ、最近、関心を集めています。今回は、YouTuberらの収益に焦点を当てて、分布の特徴と今後の動向を推測してみます。
今後、YouTubeが盛り上がる国とジャンル
ここまでのデータから今後のYouTubeの動向について推測してみます。
まず、国については、アクセス数の多さから言ってもインド発のYouTuberが今後さらに増えるのではないかと推測されます。
都市部ではすでに十分な人が所持しているPCの普及率は、今後、インドの国としての発展、インターネットインフラの整備、またPCの低価格化が進むに伴いより広い地域で増えていくでしょう。すでにYouTubeに慣れ親しむ人が多ければ、十分な投稿環境が簡単に整うようになれば自然と人気投稿者も増えていくのではないでしょうか。
続いてジャンルについて考えてみます。前述した3ジャンルには及びませんが、コメディ(Comedy)、映画(Film)は比較的裾の広い分布となっており、多様な収入分布を見せています。
先の考えをそのまま適用すれば、これら2つのジャンルにはより更に大きくなる兆候があるということになります。その2つのうち今回は、コメディの可能性を指摘したいと思います。
それは、YouTubeがテレビにとって代わる存在となりつつあるという点です。
2014年に米国で行われた調査によれば、YouTubeを見て過ごすと答えた人がテレビを見て過ごすと答えた人よりも多く、米国ではすでにポジションの入れ替わりが起きています。そうなれば、テレビにおいて人気のコンテンツであったコメディがYouTubeにおいても重要なコンテンツにならないはずがない――というふうに考えられるのではないでしょうか。
日本では、芸能事務所の大手である吉本興業が昨年、YouTubeへの本格的な参入を発表しました(参照リンク:吉本興業、YouTube動画ネットワークを活用したオンラインタレント・クリエイター発掘・育成プラットフォーム「OmO」スタート MarkeZine)。
新しいお笑い芸人、ネタを見せる場を探している芸人の人たちにとって、YouTubeという全員に均等に表現できる場が与えられているというのは、テレビと比べて非常に整った環境であると言えます。もちろん、現時点でも十分人気のジャンルであるコメディですが、このままの水準にとどまることはないでしょう。
ジャンルの移り変わりがどうなっていくのかという部分も含めて、YouTubeが今後どのようなコンテンツとなっていくのか、注目が集まります。(深澤祐援)
関連記事
- 平均年収、最も高い業種は――DODA調べ
他人の給与は気になるものだが、実際のところどのくらいもらっているのだろうか。転職サイト「DODA(デューダ)」に登録しているビジネスパーソンのデータを基に、業種別の平均年収を調べた。 - 平均年収1000万円以上の人が、就活生に勧める企業はどこ?
高年収のビジネスパーソンは、就活生にどんな企業を勧めているのだろうか。平均年収が1000万円を超えている人たちに聞いた。ビズリーチ調べ。 - なぜ給料が二極化するのか? 年収200万円と800万円の人
景気低迷の影響を受け、給料は下がり続けている――。そんなビジネスパーソンも少なくないだろう。では、今後10年間はどうなのか。リクルートで働き、中学校の校長を務めた藤原和博さんに「10年後の給料」を予測してもらった。 - YouTube年間再生ランキング、「アナ雪」が圧勝
GoogleがYouTubeの動画再生年間ランキングを発表。2014年のランキングは大ヒットした映画『アナと雪の女王』関連動画が独占する結果に。個人投稿カテゴリではHIKAKINなど人気YouTuberが強さを見せた。 - 「妖怪ウォッチ」クロスメディア戦略の功と罪
アニメや漫画だけでなく、ゲームソフトやグッズの売れ行きも好調な、子どもに大人気の「妖怪ウォッチ」。なぜ、妖怪ウォッチはここまでのヒット作となったのか。今回は、ヒットの裏を探ります。
関連リンク
Copyright © Credo All rights reserved.