オンキヨーのハイレゾ戦略の成否は? ヘッドフォン市場への進出と操作性がカギ:シェア拡大の足がかり(1/3 ページ)
オンキヨーの子会社が運営するハイレゾ音源配信サイト「e-onkyo music」が米・英・独でサービスを開始した。ハイレゾ音源の配信を世界展開することで、デジタルオーディオプレイヤーやヘッドフォン市場のシェア拡大の足がかりにしたい考えだ。
音響機器メーカーのオンキヨーは2月9日、子会社が運営するハイレゾ音源配信サイト「e-onkyo music」が米国・英国・ドイツの3カ国でもサービスを開始したことを発表した。サービス名は「onkyo music」で、英7digital社との協業でストアや再生機能を有するスマートフォン用アプリを公開する。
同日のメディア向け戦略発表会でオンキヨー執行役員(オンキヨーエンターテイメントテクノロジー社長)の宮城謙二氏は「ハイレゾは一部の音楽ファンだけのものではない」と話し、ハイレゾ音源の配信を世界展開することで、デジタルオーディオプレイヤー(DAP)やヘッドフォン市場のシェア拡大の足がかりにしたい考えだ。
「e-onkyo music」は、2005年8月に11曲の配信からスタート。2015年1月の時点で、200以上のメジャーインディーズのレーベルから約8万5000曲が提供されているが、2014年だけで4万曲がリリースされおり、売り上げが急激に伸びている。また、2014年10月にサイトがスマートフォンに対応し、NTTドコモの2014−2015冬春モデルのスマホ・タブレット全機種がハイレゾ再生に対応したことにより、「年齢・性別の幅が広がった」(オンキヨーエンターテイメントテクノロジー取締役・山下慎介氏)という。
海外展開にあたっては、各国の言語やレーベルの許諾に合わせたサイトを開設。宮城氏によると、「スカンジナビアやフランス、オランダからも強い要望が来ている」とし、2016年までに対応していきたい考えだ。さらに、アニメ使用曲など日本らしさのあるコンテンツの配信も検討していくという。
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