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ヴァージン航空の日本撤退で浮上した「成田縛り」とは何か?ANAはどう動く?(2/2 ページ)

2月1日、英ヴァージン・アトランティック航空が日本から撤退した。これにより注目が集まるのが、コードシェア便を出している全日空の動向、そして「成田縛り」ルールが崩壊するのでは? という2点である。成田縛りとは何か、航空ジャーナリストの秋本俊二氏が解説する。

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ヴァージン撤退で、ANAはどう動く?

 成田線だけでは競争力が弱いことから、ヴァージンは日本路線を継続を断念した。その結果として矢面に立つことになったのがANAである。


羽田/ロンドン線の開設で成田線を廃止したANAは、今後どう動く?

 ANAは2014年3月に羽田/ロンドン線を開設した際に、それまでの成田/ロンドン線を廃止した。代わりにヴァージンの成田/ロンドン線にコードシェアを張って自社の便名を冠することで、見かけ上は成田路線も維持していることにし、成田縛りの問題をクリアしたのだ。そのヴァージンの路線がなくなったことで、現在は羽田/ロンドン線のみを運航できる裏付けを失ってしまっている。国交省も、この状況を見ないふりをしているわけにはいかない。ANAに羽田線のみの運航を許せば、多くの航空会社がそれに追随することは間違いないからだ。ある米国系大手の幹部は「成田と羽田の両方から飛ばしているが、本当はもう成田には興味がない」とまで言い切っている。

 成田は現在、第3ターミナルを建設してLCCの誘致などを進めているが(参考記事)、大手が運航する需要の高いビジネス路線をごっそり羽田に持っていかれては、衰退が目に見えている。かといって、ANAが羽田を諦め、ドル箱路線であるロンドン線を再び成田に移管するとも考えにくい。羽田を維持したまま成田線を再開する方法もあるが、その場合はロンドンでの新たな発着枠が確保できるかどうかが問題になる。国交省が続けてきた成田縛りという行政指導は、ヴァージンの撤退を機に崩壊に向かうのか? ANAの今後の動きが注目される。

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