米国で盛り上がっている、コンベンションビジネス最新事情:人に話したくなるコラム(1/4 ページ)
展示会などを行うコンベンションビジネスが、いま米国で盛り上がっている。周辺にはホテルやアウトレットモールなどが建設され、地元経済を活性化する起爆剤になっているのだ。そんなドル箱ともいえるコンベンションビジネスの最新事情を紹介する。
著者プロフィール:
藤井薫(ふじい・かおる)
大学を卒業後、広告代理店や出版社を経てライターに。
『POPEYE』『an・an』(マガジンハウス)や『GLAMOROUS(グラマラス)』(講談社)などで、ファッション、ビューティ、ビジネスなど幅広い記事をカバー。日本と海外を頻繁に行き来して、海外トレンドを中心に情報発信している。
そんな思いをベースに、世界の企業動向や経営哲学をはじめ、それをとりまくカルチャーやトレンドなどを中心にして、思わず誰かに言いたくなるようなネタを提供していくコラムです。
最近、米国発で興味深いニュースがあった。不況のあおりを受けてひん死状態といわれて久しいデトロイトに、新しいアウトレットモールが2つも建設されるというのだ。ビジネス的に大丈夫なのかと心配になったのだが、その裏には「コンベンションセンター」の存在があった。
デトロイトでは毎年、「Cobo Center(コボセンター)」というコンベンションセンターで「北米国際オートショー」が開催されている。まさに自動車産業で有名なデトロイトのシンボル的なイベントである。だがそのコンベンションセンターは老朽化が目立ち、一時はイベントの開催を別の場所に移すことが検討された。しかし紆余曲折を経て、2015年1月に2億7900万ドル(約332億円)かけて行われたリノベーションが完成したばかりだ。そして生まれ変わったコンベンションセンターの効果で、数年先まで大型イベントの予約が入るなど、地元に経済効果をもたらそうとしている。
いま、米国でこのようなコンベンションセンターの建設やリノベーションが活況だ。コンベンションビジネスは、コンベンションセンターだけではなく、周辺地域のホテルやレストラン、アウトレットモールやショッピング施設など、コンベンションビジネスをサポートする都市開発を促す。新しい雇用を生み、地元経済を活性化させる起爆剤になるのだ。業界の予測では、コンベンションビジネスがもたらす経済効果が、2015年には690億ドル(約8兆2250億円)になるという。
そのドル箱ともいえるコンベンションビジネスを狙って、米国各地でさまざまな取り組みが盛り上がりをみせている。そんなコンベンションビジネスの最新事情を追ってみた。
関連記事
- ファストフードの時代は終わった? 変わりゆく米国の食事情
米国のファストフードと言えば「マクドナルド」を思い浮かべる人も多いのでは。米国のみならず、世界中の食文化に大きな影響を与えてきたファストフード・ビジネスが、いま大きく変わろうとしている。 - 航空業界へ参入したヘビメタ界の巨人に学ぶ、ビジネスで成功する戦略
航空業界といえば、飛行機事故や経営破たんなど、ネガティブな話題を想像する人もいるだろう。ビジネスの難しさが浮き彫りになっている業界だが、ニッチなサービスにフォーカスして注目を浴びている会社がある。それは……。 - 輸出量7年で42倍! ニッカウヰスキーが海外で売れている&売ることができるワケ
ニッカウヰスキーの商品が売れている。「NHKのドラマ『マッサン』効果があって売れているんでしょう?」と思われるかもしれないが、日本だけでなく、海外でも売れているのだ。その理由は……。 - 2016年日本上陸で話題、米グルメバーガー「シェイク・シャック」ってどんなお店?
米国のグルメハンバーガー店「SHAKE SHACK」が、2016年に日本に上陸する。ニューヨークのベストバーガーに何度も選ばれ、現地では行列が絶えないシェイク・シャックとはどんなお店なのか? 詳しく紹介しよう。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.