宇宙からの画像で、どんなビジネスが生まれるのか:仕事をしたら“宇宙”に飛んだ(中編)(2/5 ページ)
小型の人工衛星を開発しているアクセルスペースは、2020年をめどに衛星を50機ほど打ち上げたいという。そんなにたくさん打ち上げてどんなビジネスを始めようとしているのか。同社の中村CEOに話を聞いた。
ビッグデータや IoTとの親和性が高い
中村: 宇宙に小型衛星を50機ほど打ち上げる。そうすることで、頻繁に地球を見ることができます。まずは3〜5機ほど打ち上げて、特定のエリアでは1日1回撮影できるようにします。その後、衛生の数を増やしていって、最終的には50機ほど。そうするとカバーできるエリアは広がり、かつかなりの頻度で撮影することができます。
土肥: Google Earthが頻繁に更新されるといったイメージですか?
中村: はい。
土肥: なるほど。でも、それをどのような形で使うことができるのでしょうか?
中村: 昨日、今日の画像を比較することができますよね。そうすると、ちょっとした変化に気づくことができます。例えば、農業をしている人たちにとっては、穀物の成長具合が分かるようになります。
このほかにもエリアマーケティングに使えるようになるのではないでしょうか。毎日撮影することによって、何時ごろにこのエリアが渋滞する。クルマがこのような流れをしているから渋滞する。人がこのように流れているから渋滞する。こうした情報を得ることで、さまざまな対策をとることができるでしょう。倉庫をどこにつくろうかなあと思っている人にとっては「ここは渋滞するから違うところにつくろう」と最適地を見つけるようになるかもしれません。
宇宙からの画像を毎日見ることができるアプリをつくれば、これまでにないビジネスが生まれてくるはず。例えば、過去と今を比較して、そこから有用な情報を抽出することができるので、ビッグデータや IoT(Internet of Things)との親和性が高いと思っています。
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