海外でも人気の「かつや」、どんな工夫をしている?:日本発の外食(1/3 ページ)
カツ丼専門店「かつや」を運営するアークランドサービスがアジアへの展開を加速させている。2014年3月、韓国に進出したが、当初は苦戦。しかし、ちょっとした工夫で売り上げがアップしたという。その工夫とは……?
ラーメン、うどん、牛丼――。日本発の外食チェーンが、海外展開に積極的な姿勢を示している。例えば、ラーメン店「博多 一風堂」を運営する力の源ホールディングスは2020年に海外店舗を200店まで増やすという(関連記事)。うどん店「丸亀製麺」を運営するとりどーるは、現在海外に90店舗を展開(関連記事)。「吉野家」を運営する吉野家ホールディングスは、海外に637店舗を構えている。
日本の“ソウルフード”が海外の人たち間で広がる中、カツ丼専門店「かつや」を運営するアークランドサービスもアジアへの展開を加速させている。筆を使って書かれたような文字で「かつや」。この看板を目にしたことがある人も多いだろう。30〜40代の男性をターゲットにしているので、オフィスに近い飲食店街や郊外のロードサイドを中心に店舗を構えている。
2014年12月現在、国内店舗数292店に対し、海外は10店舗にとどまっている。しかし、2015年には倍以上の25店舗体制を予定しているのだ。
香港では「とんかつ定食」が人気
2012年11月、香港に1号店をオープン。日本で1店舗当たりの月商は約760万円だが、香港では1000万円を超えている。「おお、スゴい」と思われるかもしれないが、これには“カラクリ”がある。「香港の家賃は日本に比べて高い。日本よりも売り上げが高くなければ、香港で商売を続けるのは難しい」(同社・玉木芳春常務取締役)とのこと。
日本の「かつや」で最も人気のあるメニューは、やはり定番の「カツ丼」だが、香港ではどうなのか。現地では丼系よりも定食や鍋系が人気。「とんかつ定食」が最も売れていて、このほか「しゃぶしゃぶ」や「すき焼き」なども注文がよく入るという。鍋といえば、寒くなれば「食べたいなあ」と思う人が多いと思うが、現地では1年中よく売れるそうだ。
「定番の『カツ丼』をベースにしながらも、ローカライズのメニューも加えていきたい。現在はいろいろなモノを投入して、お客さまの反応を検証している段階」(玉木常務)だという。
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