海外でも人気の「かつや」、どんな工夫をしている?:日本発の外食(2/3 ページ)
カツ丼専門店「かつや」を運営するアークランドサービスがアジアへの展開を加速させている。2014年3月、韓国に進出したが、当初は苦戦。しかし、ちょっとした工夫で売り上げがアップしたという。その工夫とは……?
ちょっとした工夫で売り上げアップ
今年の3月に3カ店目を出店したばかりの韓国では、どのような状況になっているのか。2014年3月に1号店がオープンしたので、ようやく1年が経ったところ。香港ではオープン当初から売り上げは好調だったが、韓国では出店後の翌月にセウォル号の沈没事故があり、国全体に自粛ムードが広がった。その影響を受け、売り上げが伸び悩んだ。
それだけではない。日本、香港、タイでは“完食”が多いのに、韓国では残す人が目立った。その原因を調べてみると、現地の人たちはカツ丼をスプーンで食べていた。日本のように箸を使えば問題ないが、スプーンだとどうしてもカツを噛み切ることが難しくなる。
では箸を使えばいいじゃないかと思われるだろうが、ご存じのとおり、韓国ではステンレス製の箸を使っているので、カツは滑りやすくつかむのが難しい。客の中には「ハサミを借してくれませんか?」という声もあった。その客の行動をみると、まるで焼き肉のカルビを切るような感じでカツを切っていた。そうした食習慣の違いがあって、「カツ丼=食べにくい=完食しない」という人が多かったのだ。
これではいけないということで、対策をとることに。スプーンだと噛み切れない、箸だとつかみにくい。現地のスタッフから「であれば、カツを細かく切ってみればどうだろうか」という意見があった。日本の場合、カツをタテにいくつか切って出される。それを箸でつかんで食べるが、韓国ではヨコにも切った。例えば、タテに5等分されたカツをさらにヨコにも包丁を入れるので10等分といった感じ。カツを細かくしたところ、スプーンでも食べやすくなって、完食率がアップ。その後、徐々に売り上げがアップしているという。
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