海外でも人気の「かつや」、どんな工夫をしている?:日本発の外食(3/3 ページ)
カツ丼専門店「かつや」を運営するアークランドサービスがアジアへの展開を加速させている。2014年3月、韓国に進出したが、当初は苦戦。しかし、ちょっとした工夫で売り上げがアップしたという。その工夫とは……?
回転率はそれほど悪くない
店内のレイアウトをみると、香港と韓国ではカウンター席が少ない。日本ではカウンターでひとりで食べる人が多いが、現地では友人や知人と一緒に楽しむ人が多い。となれば、回転率が悪くなりそうだが、海外店舗は日本と違って席数を多くしている。そうすることによって、売り上げを確保しているそうだ。
ここで疑問がひとつ。同じ面積で席数を多くすれば、客はストレスを感じないのだろうか。隣の席が近ければ「ちょっと……」と思う人も多いだろうが、現地では違う。「机のサイズを小さくしていますが、お客さまから不満の声を聞いたことがありません。あと、日本では相席文化が定着していませんよね。混んでいる時間帯に、相席をお願いする場合、店のスタッフが『相席をお願いしてもいいですか?』と聞かなければいけません。しかし、現地では何も言わずに相席される。知らない人が前にいても、抵抗なく座られる。こうした文化があるので、回転率はそれほど悪くありません」(玉木常務)
ちなみに、日本と海外、カツ丼の味に違いはあるのだろうか。日本の「かつや」で使っているフライヤーのほかにも、タレや一部食材を輸入しているので、ほぼ同じ味だそうだ。
編集部よりお知らせ:
「made in Japan」――。かつては“格下”の響きがあったが、今は違う。日本発のヒット商品が次々に生まれ、世界の仲間入りを果たした。国境を越えた商品は、どのように誕生し、なぜ浸透したのか。ITmedia ビジネスオンラインではその謎に迫っていくために特集「世界で売れてる、日本発のヒット商品」をスタートする。
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