コンビニのドーナツ戦争をどう見てる? ミスドがコメント:ドーナツ市場(3/4 ページ)
コンビニがドーナツ市場に参入しているが、市場を独占してきたミスタードーナツはどのように受け止めているのだろうか。これまであまり明らかにしてこなかったが、ついに重い口を開いた。
現在は“三重苦”
――4月1日に価格改定をされましたが、その影響は出ていますか。また原材料高、円安など外部環境について、どのように受け止めていますか。
和田: 一昨年の12月にも、一部の商品で価格改定をした。ご指摘のとおり、原材料価格の高騰、人件費の高騰、電気代の高騰で現在は“三重苦”の状態。これまでメーカーさまの力をいただきながら、なんとかやってきたが、お客さまにも少し負担いただかなければ経営的に厳しい状況になってきた。お客さまにはご迷惑をかける部分もあるが、4月1日からはポン・デ・リング類など一部の商品で値上げをした。
――新商品(ブルックリン メリーゴーランド:4月9日発売)で新しい価値を提供するということですが、どういう意味でしょうか。
和田: 世の中の流れを見ていると、消費者のニーズは二極化していると感じている。価格は高くても「自分たちがおいしい」と感じられる商品は、一般的に売り上げは伸びている。その一方で、お腹を満たして「価格は安ければいい」というお客さまも多い。ミスタードーナツでは100円、120円の商品が多かったが、昨年からその考えを改めている。「本当に自分たちがおいしいモノをつくろう。その商品の価格が高くなってもいいよ」と。結果的に、100円、120円ではなく、200円前後の商品を販売することになっている。
商品の価格ありきではなく、おいしいと思えるモノをつくったことで、価格帯が上振れしている。その戦略を選択したことで、昨年発売した「ミスタークロワッサンドーナツ」などは好調に売れた。価格ではなく、価値が認められる時代に突入した、と感じている。
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