雪国まいたけのTOB成立 米投資ファンドが完全子会社化へ:創業家の影響力なくなるか?
2013年の「不適切な会計処理」報告から揺れていた雪国まいたけ。ベインキャピタルが実施していた株式公開買付けには筆頭株主も応募した。
米投資ファンドのベインキャピタルが実施していた雪国まいたけのTOB(株式公開買付け)が4月6日、成立した。筆頭株主だった第四銀行も含め、発行済み株式の77.48%にあたる27万7922株の株主が買い付けに応じた。買付け価格は1株当たり245円。4月13日から決済を開始し、雪国まいたけは上場廃止となる見込みだ。
ベインキャピタルの杉本勇次日本代表兼マネージング・ディレクターは、「公開買付けの成立により、雪国まいたけの経営ガバナンスが安定し、さらなる成長・飛躍に向けてスタートを切ります」とコメントする。
雪国まいたけは、2013年に「不適切な会計処理が行われていた可能性」があったとして、創業者で当時社長だった大平喜信氏が辞職。後を継いだ星名光男社長(当時)は、東京証券取引所に提出した改善報告書で「創業家兼大株主の影響を受けないようにするため、適度な出資割合まで引き下げていく方向で交渉を行う」と記した。しかし、2014年の株主総会において創業一族から出された動議によって星名氏を含む取締役6人が入れ替えられた。
今後、ベインキャピタルは雪国まいたけが持つ自己株式以外のすべての株を取得して同社を完全子会社化する意向を示している。杉本代表は、2014年の株主動議を受けて就任した雪国まいたけの鈴木克郎会長兼社長ら現経営陣と全面的に協働し、従業員の雇用を守るともコメント。中国やロシアなどへの海外事業にもベインキャピタルが持つ知見を生かしスピード感をもって支援するとしている。
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