レトルトカレーはブランドが多いのに、なぜカレールーは少ないのか:水曜インタビュー劇場(1/5 ページ)
スーパーのカレーコーナーを見ると、レトルトカレーにはたくさんのブランドがあるのに、カレールーは大手3社の商品がズラリ。なぜこうした現象が起きているのだろうか。ハウス食品の担当者に話を聞いたところ……。
「リンゴとハチミツ恋をした♪ ハウス、バーモントカレー」――。1973年から12年間、歌手の西城秀樹さんがテレビCMに出演しているのを見て、「ヒデキ、感激」といったキャッチコピーを記憶している人も多いだろう。
家庭用カレーの代名詞ともいえる「バーモントカレー」は、日本のカレールー全体で30%のシェアを握る。スーパーの棚にはカレールーがたくさん並んでいるが、なぜバーモントカレーはトップシェアを走り続けているのか。このロングセラー商品の歴史を振り返ると、消費者の嗜好に合わせた「改良」というキーワードが浮かびあがってきた。ITmedia ビジネスオンライン編集部の土肥義則が、ハウス食品の広報部に聞いてきた。
ネーミングのヒントは「バーモント健康法」
土肥: 前回、白いご飯の上にカレーをかけて食べる習慣がなかった中国で、カレールーを普及させてきた話をうかがいました。ハウス食品の看板商品「バーモントカレー」が登場したのは1963年の9月。当時、カレーは辛くて大人の食べ物というイメージが強かったそうですが、リンゴとハチミツを加えることで、子どもにも食べやすいカレーに仕上げたそうですね。
カレールー市場でハウス食品は6割を超えていて、そのうちの半分はバーモントカレー。つまり、日本のカレールー全体の3割を占めているので、家の冷蔵庫の中を見ると、3軒に1軒はバーモントカレーがあるといった感じ。商品が誕生してから50年以上も経っているのに、なぜトップシェアを走り続けることができるのでしょうか。子どもの“胃袋”つかんだことに、ロングセラーの秘密があるような気がしているのですが。
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