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アシアナ航空の謝罪会見が遅かった背景に「3つの要素」:スピン経済の歩き方(5/5 ページ)
アシアナ航空162便が広島空港で着陸を失敗して、乗員乗客27名が負傷するという事故が起きた。アシアナ航空側の「広報対応」があまりにも遅いが、筆者の窪田氏は「その背景には3つの要素がある」という。それは……。
非公式な「情報戦」に走る
こういうかなりビミョーな買収話が進んでいる時、日本の空港でアシアナ航空が大ポカをする。錦湖産業の価値にも大きく影響を及ぼすのは目に見えている。アシアナとエアプサンの「顔」である金社長がおいそれと頭を下げれるわけがない。かといって今回はサンフランシスコの時のようにCAさんをつかって正当性をアピールするの難しい。オフィシャルな情報発信ができないとなると、残るは非公式な「情報戦」になる。
先ほどの「シューター不祥事」が日経新聞で報じられた翌日、フジテレビの『Mr.サンデー』で、アシアナ航空の客室乗務員が、「クルマに気をつけてこっちへ来てください」と叫びながら乗客を誘導していた映像が流れたという。さらに、ケガのあるなしに関わらず、被害者に一律60万円の賠償が払われるという情報も出た。
サンフランシスコの時のような「操縦士が悪いという印象操作をしている」という韓国メディアからの援護射撃もすでに飛んできている。
過去の教訓に学べば、空港側の責任を追及してくるという可能性は否めない。アシアナ航空の次の一手に注目したい。
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