急増する出荷量にファッションECサービス・マガシークはどう対応?:進化する物流ビジネス最前線(3/3 ページ)
女性向けファッション通販サイト「MAGASEEK」などを展開するマガシークでは、会社設立以来、物流倉庫における大小さまざまなな改善活動に取り組んできた。現在は1日で約8000点の商品を出荷しているが、その数はまだ増え続けていくという……。
増え続ける物量を今後どうさばくか
長年のECサイト運営と、このような倉庫業務の効率化で培ったノウハウを基に、マガシークは約3年前からフルフィルメント事業に参入している。アパレル企業向けに通販商品の写真撮影、在庫管理、出荷、顧客対応などを一貫して代行する。現在の契約数は5社。
その一例が、2014年12月から近鉄百貨店と共同で運営するファッション通販サイト「HARUKASTYLE」だ。ここでの商品の仕入れから販売、サイト更新、代金回収、カスタマーサポートなどのバックヤード部分をすべてマガシークが担当する。
今後もフルフィルメント事業は強化していく予定だが、一方で倉庫の物量が加速度的に増えていくというジレンマもある。「もはや人海戦術にも限界がある。ダイナミックな変革が不可欠だ」と北川氏は強調する。
マガシークはサービス開始から10年以上も倉庫業務を続けているので、もはや人手でできる効率化はやり尽くしたのが実情だ。さらに業務効率を図るためには、革新的に業務の進め方を変えるか、より多くの部分をシステムで自動化するかしかないという。「ちょっとした工夫程度では変わらない。かつて倉庫にハンディターミナルが導入されて飛躍的に業務が効率化したような、今までの常識を覆すものでなくてはならない」と北川氏は説明する。
同社でも例えばタブレットやスマートフォンを活用してピッキング作業をよりスピードアップできないかなど、試験的にさまざまな方法を模索しているところだ。
今後日本でもますますネット通販の取引量が増える中、マガシーク同様の課題を抱える企業は少なくない。次回は、いち早く物流部門のシステム化を進めてきたアスクルの取り組みからヒントを学ぶ。
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