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超一流ではなかった真中監督が、チームを再建させた方法赤坂8丁目発 スポーツ246(4/4 ページ)

東京ヤクルトスワローズが首位を快走している。2年連続で最下位だったチームは、なぜスタートダッシュを切ることができたのか。スポーツライターの臼北氏は、2014年10月に就任した真中満監督に注目している。

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チームは想像以上にボロボロ

 それも無理はない。実は昨オフ、ヤクルトは次期監督の選考を巡って水面下で暗闘が起こっていた。フロント内部では小川前監督の後任として早くから二軍・真中監督の昇格プランが持ち上がっていたが、当初は対抗馬の存在もあった。フロントの一部から推されていた有力OBのA氏である。明らかにA氏は真中氏よりも格上で実績も十分なヤクルトの生え抜きスター選手ではあったものの、カリスマ的存在であるがゆえに唯我独尊のような我の強さにアレルギー反応を覚える主力選手や関係者が非常に多かった。

 結局はそれがネックとなり堀澄也オーナーのツルの一声で真中監督が誕生することになったが、それでも今季成績の結果次第によっては球団内部のパワーバランスが一気に崩壊する危険性も残されているという。その事情について球団関係者はこう指摘する。

「もし真中監督が今季結果を残せなければ、A氏を後任監督に推していた別のフロント一派がオーナーに対して『だからあの時言ったじゃないか』『我々の言ったことを無視するから、このような事態を招いたんだ』と責任を追求する動きを見せる可能性がある。そういう背景を考えれば真中監督が開幕ダッシュに成功したことは、球団内のクーデターを封じ込める意味でも極めて大きいと言える」

 舞台裏では我々の想像以上にボロボロだった東京ヤクルトスワローズ。その再建役として任命されたいぶし銀・真中監督の手腕には、ビジネスの世界で活躍するリーダーの方々にとっても参考になる面が多いかもしれない。

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