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巨人が新外国人選手をなにがなんでも“更生”させたい理由:赤坂8丁目発 スポーツ246(4/4 ページ)
巨人の新外国人選手、ホアン・フランシスコ内野手が話題を集めている。とはいっても「いい意味」ではない。期待を裏切るプレーとグランド外の寄行によって、球団関係者は頭を悩ませている。
フランシスコの“ミセリ化”を防ぐことはできるのか
結局、ミセリは契約時に結んだ「本人の同意なしでは二軍へ降格させることができない」という条項をタテに首脳陣からのファーム再調整指令を拒否し続けるなどハチャメチャな行動でもチームを混乱させ、ついに開幕から1カ月にも満たない4月19日に球団史上最速となるスピード解雇を言い渡された。その解雇当日にミセリは本拠地・東京ドームのロッカールームで荷物をまとめると、その足で家族とともに浅草観光へ直行。ミセリが引き起こした前代未聞の奇行及びヤル気のない怠慢プレーの数々は球団内で「二度と繰り返してはならない黒歴史」として今も語り継がれている。
「あのミセリの時の反省は今の球団に間違いなく生きている。これまでも細心の注意を払いながら、我々は日本人、外国人を問わず所属選手たちを預かってしっかり育成し、どこにも負けないチャンピオンチームを作ろうとまい進してきた。そういう強い自負がある。でもフランシスコは要注意。とにかく彼をミセリにしてはいけないし、絶対にさせるわけにはいかない。まだ十分に間に合う段階だと思っている」と球団関係者は鼻息を荒げた。
果たして巨人はどのようにしてフランシスコの“ミセリ化”を防いで更生させるのか。取材現場で実際に見る限り、そのハードルはかなり高いかもしれない。組織の中で「性格に難あり」の部下を持つビジネスリーダーの人たちにとっても、巨人のフランシスコ起用法は注目すべきポイントとなるだろう。
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