連載
「デキる男はチョコを食う」は本当か:スピン経済の歩き方(4/4 ページ)
デキる男はチョコを食う――。明治がサラリーマンを対象に調査をしたところ、年収の高い人ほどチョコを食べるという。信じられない話だが、筆者の窪田氏は「ビジネスパーソンのトレンドを踏まえると、この調査結果は納得できる」という。その理由は……。
若い人が「ご褒美」に求めているもの
そう考えて各社の商品を眺めていたら、これらの条件を満たす製品があった。「ガルボミニ」(明治)だ。
手につきにくいひとくちサイズながら、粒や板チョコではない。また、焼き菓子にチョコを染み込ませているので、ボリュームもあって小腹満たしにちょうどいい。
さらに、本格コーヒーとの親和性も悪くない。カカオがきいた「ほろにがブラック」をはじめ「コク深い抹茶」「つぶ練り苺」など幅広いフレーバーをそろえているだけではなく、5月26日にはそのものズバリ「まろやかコーヒー」も発売する。
今年10周年を迎えるガルボミニはコンビニで好調だというが、この背景には、女性客だけではなくコンビニを“燃料補給”の場にする男性ビジネスパーソンも意識した緻密(ちみつ)なマーケティング戦略がある、というのは十分想像できる。そういえば、冒頭の調査も明治によるものだった。
「スイーツ男子」なんて言葉がもてはやされている今、メーカー側が男性をターゲットにしようというのはよく分かるが、一方でそんなに甘い話でもない気がする。
先のスタンフォード大の研究でも、「刺激物」を得た人はさらに強い刺激を求めることが分かっている。次にどんな「ご褒美」があらわれるのか。各社の商品戦略に注目したい。
関連記事
- なぜ“バターみたいなマーガリン”が増えているのか
夏の猛暑が原因で、昨年スーパーの棚からバターが消えた。ここにきてようやく商品が並ぶようになったが、最近は“バター風マーガリン”が売れているという。少し前まではマーガリンがバターをうたう商品は少なかったのに、なぜ急に増えてきたのか。 - なぜ日本人はウイスキーを「水割り」で飲むのか?
ドラマ『マッサン』効果でウイスキー市場が盛り上がっている。各社の売り上げが伸びている一方で、気になることも。それは「水割り」。海外の人たちは「ストレート」や「ロック」で飲んでいるのに、なぜ日本人の多くは水割りを好むのか。その理由は……。 - 受注を減らしたのに、なぜ「チョコモナカジャンボ」は3倍も売れたのか
森永製菓のアイスクリーム「チョコモナカジャンボ」が売れている。売上高は14年連続で伸びているが、その背景にはどんな“仕掛け”があったのだろうか。同社のマーケティング担当者に話を聞いた。 - 原料のカカオに何が起きているのか チョコレートが消滅する日
近い将来、チョコレートが消滅するかもしれない――。こんなことを言われても「スーパーやコンビニに行けば、たくさんの商品が並んでいるよ」と思われる人も多いはず。しかし、チョコレートの原料・カカオの生産量が不足しているのだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.